1945-11-01から1ヶ月間の記事一覧

中西功「民主統一戦線の根本方針」出典

□ 歴史科学協議会『史料日本近現代史III 戦後日本の道程』三省堂,1985// p.52-p.55「民主統一戦線の諸問題」 ISBN:9784385347684 この史料集は標題に続く【これは11月4日に覚書として書かれたもので,今まで机の中にほうり込まれていたものである】の一文および…

闘争方式の問題

現在の日本の民主主義革命の発展の特徴はその闘争方式をも決定している 結論的にいえば,それはきわめて平和的に広範な民主統一戦線を通じて大衆を動員して遂行することである (1.) 革命の発展は前述のごとくけっして一挙に武力革命によって遂行されない点で…

統一戦線中の共産党

日本共産党は,天皇制廃止と民主共和国の樹立を自己の民主主義革命の基本任務としている. 問題はこれをいかに遂行するかである. この目的遂行の主たる手段が民主統一戦線である このとき,共産党は自己を独自に組織し,かつ自己の独自性を統一戦線のなかに解消…

民主連盟の綱領

以上により,日本当面の民主連盟は西欧の「人民戦線」とは多少異なるのである. ゆえに「人民戦線」の呼称をもちいることは適当ではない この民主統一戦線の組織は共産党,社会党およびいっさいの民主主義者,自由主義者の参加によって組織されうる. その民主連…

統一戦線の指導者

統一戦線の指導者はプロレタリアートである. しかし同時に小ブルジョアジーが積極的に民主化闘争に参加するとき,彼らにもまた,政治指導力が生れる. しかしこれはあくまでもプロレタリアートの統一戦線に賛成し,独占ブル等の妥協コースに反対するという基盤の…

民主戦線の二つの道

民主統一戦線に参加するか否か…具体的にいえば,労農大衆と共に民主運動を行なうや否やは,今日の各階層を試験する指標である 官僚,独占資本,大地主は,日本の「民主化」の必至化に当面し(外から強制されているので)出来れば多少の妥協により,かつ勤労大衆に反…

民主統一戦線の範囲

【1. 今日の民主革命の主敵は封建的勢力とその支持者である】 1. 天皇制官僚機構 2. 大地主 3. 独占資本 がその主体である 【2. ブルジョア階級】 このブルジョア階級は今日三つの層に分れている 1. 独占資本(財閥) 2. 中間的大資本 3. 中小資本 独占資本は…

中西功「民主統一戦線の根本方針」(1945/ 10 11/4[*2])

民主統一戦線の根本方針 (これは11月4日に覚書として書かれたもので,今まで机の中にほうり込まれていたものである) 中西功

『近きより』

正木ひろし『近きより5 帝国日本崩壊 1943〜1949』社会思想社/現代教養文庫1375, 1991/12/30

『近きより』vol.9 No.10(1945年12月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.256

私のメモより 【1】武装を解除された日本は,将来道義一本で建って行く以外に方法は無いという[*1]. 誠に然り. 然る時は,先ず第一に,日本を今日の悲境に陥入れたる張本人天皇の責任の追求を完全にすることを前提とす. 我等は軍閥の命令によって戦争に従事した…

『近きより』vol.9 No.9(1945年11月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.255

私のメモより 【1】人間は家畜に対して,何よりも自由を禁止する. 即ち知るべし,日本人を家畜としたい人間は,日本人に自由を禁止したということを. 家畜主は天皇なり. 天皇を打倒することによってのみ日本人は家畜の境涯から脱するを得べし 【2】すでに家畜と…

『近きより』vol.9 No.8(1945年10月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.254

家畜とは何であるか 家畜とは,最少限左の如き性質を持つに至った動物である (1)一定の人間の支配下に於て繁殖を続け (2)その人間の支配下より逃亡の意志なく (3)その人間のために生存し,その人間に絶対服従すること 故に家畜と野生の動物との根本的な相違点…

『近きより』vol.9 No.7(1945年9月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.253

敗戦日本 日本は降伏した 神の審判は,厳かに下ったのである 敗北してなお生存を続けているのは 広大無辺なる神の恩寵である 神が日本民族絶滅の一歩手前に 一度反省の機会を与えたのである もしこの恩寵を理解し得なかったならば 直ちに,恐るべき最終の審判!…

『近きより』vol.9 No.6(1945年8月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.253

人生断章 【1】敵は有色人種を奴隷にせんとすと聞くこと久し. 奴隷とは人間に対して人格を認められざるもの,その存在は全部奴隷主の意のままとなるものなり. 奴隷は最少限度の食料と一定範囲内の自由を与えられ,生命は奴隷主のために捧げしめられる 家畜は奴…

正木ひろし「番犬の帝国」

番犬の帝国 正木ひろし 昭和20年10月8日の東京新聞の文化欄に,私の寄稿した「家畜の精神」といふのが載っている. これは日本の国民性を諷刺したもので,現在ならば自由自在に国体を批判出来るのであるが,私がその原稿を書いた9月の末には,まだ東九邇宮内閣が…