『近きより』vol.9 No.7(1945年9月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.253

敗戦日本


日本は降伏した


神の審判は,厳かに下ったのである


敗北してなお生存を続けているのは


広大無辺なる神の恩寵である


神が日本民族絶滅の一歩手前に


一度反省の機会を与えたのである


もしこの恩寵を理解し得なかったならば


直ちに,恐るべき最終の審判! 民族絶滅へと移行するであろう


罪悪の国,日本!


遠き野蛮未開の時代は知らず


中世以降において,日本ほど,愚昧にしてかつ悪徳の国があったろうか