1945-11-03から1日間の記事一覧

『近きより』

正木ひろし『近きより5 帝国日本崩壊 1943〜1949』社会思想社/現代教養文庫1375, 1991/12/30

『近きより』vol.9 No.10(1945年12月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.256

私のメモより 【1】武装を解除された日本は,将来道義一本で建って行く以外に方法は無いという[*1]. 誠に然り. 然る時は,先ず第一に,日本を今日の悲境に陥入れたる張本人天皇の責任の追求を完全にすることを前提とす. 我等は軍閥の命令によって戦争に従事した…

『近きより』vol.9 No.9(1945年11月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.255

私のメモより 【1】人間は家畜に対して,何よりも自由を禁止する. 即ち知るべし,日本人を家畜としたい人間は,日本人に自由を禁止したということを. 家畜主は天皇なり. 天皇を打倒することによってのみ日本人は家畜の境涯から脱するを得べし 【2】すでに家畜と…

『近きより』vol.9 No.8(1945年10月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.254

家畜とは何であるか 家畜とは,最少限左の如き性質を持つに至った動物である (1)一定の人間の支配下に於て繁殖を続け (2)その人間の支配下より逃亡の意志なく (3)その人間のために生存し,その人間に絶対服従すること 故に家畜と野生の動物との根本的な相違点…

『近きより』vol.9 No.7(1945年9月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.253

敗戦日本 日本は降伏した 神の審判は,厳かに下ったのである 敗北してなお生存を続けているのは 広大無辺なる神の恩寵である 神が日本民族絶滅の一歩手前に 一度反省の機会を与えたのである もしこの恩寵を理解し得なかったならば 直ちに,恐るべき最終の審判!…

『近きより』vol.9 No.6(1945年8月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.253

人生断章 【1】敵は有色人種を奴隷にせんとすと聞くこと久し. 奴隷とは人間に対して人格を認められざるもの,その存在は全部奴隷主の意のままとなるものなり. 奴隷は最少限度の食料と一定範囲内の自由を与えられ,生命は奴隷主のために捧げしめられる 家畜は奴…

正木ひろし「番犬の帝国」

番犬の帝国 正木ひろし 昭和20年10月8日の東京新聞の文化欄に,私の寄稿した「家畜の精神」といふのが載っている. これは日本の国民性を諷刺したもので,現在ならば自由自在に国体を批判出来るのであるが,私がその原稿を書いた9月の末には,まだ東九邇宮内閣が…