『近きより』vol.9 No.10(1945年12月号) 家永三郎責任編集『日本平和論大系 12 正木ひろし,清沢洌』日本図書センター,1994/4/25 p.256

私のメモより


【1】武装を解除された日本は,将来道義一本で建って行く以外に方法は無いという[*1]. 誠に然り. 然る時は,先ず第一に,日本を今日の悲境に陥入れたる張本人天皇の責任の追求を完全にすることを前提とす. 我等は軍閥の命令によって戦争に従事したるものに非ず. 天皇の名によってこれを遂行したるのみ. その責任を不問に附して,何の正義,何の道義ぞや


【2】日本は,万邦無比な国体を有することが第一の特徴であり,その故に有難い国だと教わって来た. しかし,事実に於て何が有難かったのか. 天皇に所有されたる生物,牛や馬と同じ家畜に他ならない. 日本の国体を有難いと言うのは,家畜主たちと,その番犬階級のみ

*1:【朕は國務大臣に命して國家内外の情勢と非常措置の經路とを説明せしむ卿等其れ克く朕か意を體し道義立國の皇謨に則り政府と協力して朕か事を獎順し億兆一致愈々[いよいよ]奉公の誠を竭[つく]さむことを期せよ】第88臨時議会開院式(1945/09/04)での勅語id:dempax:19450905