1947-01-01から1年間の記事一覧
「教育の眞の目的は,よき疑問を起させるにあるといつても過言ではなく,国民生活の上に立たぬ史学は有害無益なる遊びの学に過ぎない」との柳田國男の達言を待つまでもなく(毎日新聞「歴史教育の使命」)歴史教育を現代の社会生活から出発させることは血の通っ…
これらの批判に対し,当の責任者文部省は黙して語らず,わずかに「草稿の下働き」執筆者の中,岡田,豊田は批判に対しやや謙虚な態度を持し,特に消極的ながら編纂方法そのものの矛盾を肯定しているかに見えたのであるが(岡田「朝日評論」,豊田「大学」動向)中に…
【3】←id:dempax:19471116
「くにのあゆみ」に対して歴史家は一斉に起った. すなわち井上清(民報,三田新聞,潮流) 林基(日本評論,歴史評論) 石母田正(時事通信,歴史評論) 奈良本辰也(自由文化) 藤間生大(第一新聞) が堂々の筆陣をはつたばかりでなく,進歩的学術団体,文化団体もその組織…
【1】←id:dempax:19471115 id:dempax:19471117→【4】
またかつて戦争中「教育」誌上に敢然発表された羽仁の「歴史教育批判」(岩波書店)が刊行され,その歴史教育が真実を知らしめ,これを批判的に理解し将来に対する見通しを与えるところにあるとする線に沿うて井上清は「日本の新しい歴史教育,またその前提たる新…
天皇制「打倒」と「護持」の論戦がかしましい時,学校教育に於ける歴史授業は一部進歩的教員の場合を除いたらそれはむしろ痴呆的表情を示した. そして進歩的歴史家や教員がなおぐづついているうちに,歴史教育を逆用することの効果を長い経験の上から最もよく…
平和と窮乏とを残して惨虐と幻滅の戦争は終った. 虚偽と歪曲は剥ぎ取られ真実と希望が人民の前にその自由な姿をよこたえる. かつて超国家主義,軍国主義の従者として支配者の最も有力な剣であつた歴史教育は今や真実を以て民主主義の何たるかを理解せしめるペ…
歴史教育の諸問題 「くにのあゆみ」をめぐって 高橋眞一
【わが国はまけました】と断言している点は,今時の欺瞞的な新日本語「終戦」でない点で良いと思うが,それだけだな.【平和をとなへる人々が力を失ひ】と自然現象かのような記述,原因と結果を示さず,責任者不在の他人事のような記述が何を隠蔽しようとしている…
このころ,わが国では,平和をとなへる人々が力を失ひ,政府は,戦争のために,国内を固める必要から,政治・経済・文化をすべてたてなほして,挙国一致をはかる新体制をつくろうとしました また一方では,アメリカと,いろいろ相談をしましたが,この相談が,すすむに…
[以上,見出だけ]
文部省著作 社会科教科書(原著発行は1946年10月) くにのあゆみ 下 から 監修…山住正己 日本図書センター復刻版 第12章 大正から昭和へ 1. 欧洲大戦と日本 2. 大平洋戦争
「くにのあゆみ」について重大な誤解またはデマがひろがつている.「くにのあゆみ」は連合軍司令部に許可された唯一の歴史教科書であり,これ以外のものをつかつてはならない,という真実のことから,さらに飛躍して,故にこれを批判してはならない,というのであ…
正しい日本歴史を学び教える自由が,はじめてわが国民にもあたえられた. わるわれはこの貴重な自由をただちに十分につかい,つかうことによつてますますそれを確実なものにせねばならない. 自由はこれをつかうことによつてのみ生き発展する. つかわなければた…
序 井上清『くにのあゆみ批判 - 正しい日本歴史』解放社 井上清
中西功「科学性と神秘性について/津田博士の「建国の事情と萬世一系の思想」を読みて」『日本読書新聞』No.348(1946/06/05). id:dempax:19460605 単細胞頭 https://twitter.com/Sienaga_bot/status/773086014273236993 に服部之総の羽仁五郎批判を紹介してお…
「くにのあゆみ」批判活発 民主的扮装を指摘 急進史家の追及急 連合軍当局をはじめ平和を愛する世界および日本の民主主義勢力の烈しい期待に応えて,昨年10月新歴史教科書「くにのあゆみ」が各方面多大の期待のうちに生まれたが,これに対して早速『歴史評論』…
『くにのあゆみ』批判への家永の応答は『家永三郎集』に,はいっていない.『家永三郎集 第16巻 自伝 付 著作目録・年譜』岩波書店,1999/03/17 著作目録にもない この記事は『くにのあゆみ』批判に関する次の『日本読書新聞』記事への対応として,家永が寄稿し…
不二出版 復刻版 V-p.283
くにのあゆみ : 編纂者の立場から 家永三郎 「くにのあゆみ」が世に送られてから既に半年を経た. その間に実際の教育に携わる数□方からも,また専門の歴史家側からも様々の批評が出た. その内,実際家の方面からの批評として最も多かったのは「くにのあゆみ」…