中学生の坊主頭強制=全国の公立中学の30%【1990/03月調べ】

時代錯誤の象徴ともいうべき丸刈りだが、首都圏の中学校では最近ようやく「長髪」化の兆しが見られる。神奈川県川崎市の唯一の丸刈り校だった渡田中も、88年7月から自由化。千葉県我孫子市では6つの中学校のうち、4校が89年4月から校則を改正、「丸刈り」から「中学生らしい髪型」に変えている。また、埼玉県、茨城県山梨県など東京に近い地域や都市部では髪型を自由にする傾向が進んでいるといわれる。ただし、週刊PB誌90年3月13日号の「ニューススクランブル」の記事にもあるように、全国の公立中学校の30%は今だに坊主頭を強制している。



それによれば丸刈りの傾向は西日本で特に高く、九州、四国、山口県などの中学校ではほとんどの学校で丸刈りを義務付けているという。特に鹿児島県は県内の公立中学校のすべてが丸刈りという徹底ぶりだ。また、東日本でも教育委員会の強い静岡、愛知、岐阜などの東海地方にも丸刈りの風潮は根強く残っている。



黒田清『ブラック・ファックス』(集英社 1990年04月10日) p.136