中沢啓治『ゲキの河』が描く満州国の実態

中沢啓治/平和マンガシリーズ5/ゲキの河/下巻』152頁〜165頁


憲兵(■),ゲキ,裕民洋服店店主(□)のやり取り



【152頁】


■「こらっ貴様」「貴様調べることがある/こっちへこい」


ゲキ「なんじゃ/わしらじゃないのか/びっくりしたのう」


□「な,何か」


■「貴様は何人だ?」


□「ハ,ハイ,山東人です」


(ガツン)(ドガッ)[憲兵が殴り蹴飛ばす]


□「貴様山東人とは何事だ」「グググわ私の生まれた故郷山東省の事を聞かれたと思ったんです」

■「口答えをするなっ」(ガツ)[憲兵が殴る]「このバカタレ」[憲兵が殴る]


ゲキ「ひ酷いのう何で日本の憲兵はあんなに殴るんじゃ」[憲兵は蹴飛ばす]


店主の息子「お父ちゃーん」


■「うるさい」[憲兵は店主の息子を殴る]


ゲキ「憲兵は酷い事をしやがるのう」


■「もう一度訊く,貴様,何人だ」


□「ち,中国人です」