作家・中沢啓治の素顔【前編】
追悼特別企画/中沢みさよさんインタビュー
夫人が語る作家・中沢啓治の素顔【前編】
2012年12月19日. 惜しまれつつもこの世を去った漫画家・中沢啓治. 1千万部を超える名作『はだしのゲン』の著者が家族に見せた知られざる一面とは?
取材・文/鍋田吉郎
写真提供/中沢みさよ氏
後編→id:dempax:20150512
「俺はこの『はだしのゲン』に全てを捧げている. 心血を注いでいるんだ. だから,俺が死んでもこの作品は残るよ」
今から40年前,週刊少年ジャンプに連載中,主人はよくそう言っていました. 『はだしのゲン』のアニメーション映画を作った時にはこんなことがありました. あるシーンを入れなくてもいいのではないかという製作の皆さんからの提案に対し
「このシーンがなくちゃあ絶対に『はだしのゲン』という作品は死んじゃう」
と言って絶対に折れなかったのです
「中沢さん頑固ですよね」
とよく言われましたが
「絶対にいいものを作らなければ駄目なんだ」
と常に言っていました. そこまで『はだしのゲン』という作品に熱意があったんです