千葉日報 2017/11/22 7面 (千葉) https://www.chibanippo.co.jp/news/local/455472

ミニストップ成人誌販売中止

女性や子どもに配慮
雑誌市場縮小も背景


(写真)既に成人向け雑誌が撤去されている市内店舗の陳列棚


ミニストップ(美浜区中瀬)が21日発表した成人向け雑誌の販売中止 成人誌にカバーを掛ける陳列棚対策を検討していた市の要請を機に他のコンビニ各社が慎重姿勢を貫く中 長年続いてきた「当たり前の光景」に一石を投じた 女性や子どもの利用客に配慮し誰もが利用しやすい店舗づくりを進める狙いだ

同社の判断は市の動向がきっかけだった 熊谷俊人市長が 2月 2020年東京五輪を控え「(現状の販売方法は)国際感覚に照して疑問を持たれかねない」と成人誌にカバーを掛けて表紙を見えなくするモデル事業の実施を発表 市内のSE約10店舗で展開するとしたが同社が拒否 市は他のコンビニ事業者に働き掛けたが難航しミニストップもカバーを掛ける方法は作業負担が増えることから「現実的でない」とした


しかし同社には以前から「(成人誌の陳列で)子連れでの入店を躊躇う」「トイレの前にあると困る」などの声が寄せられていた 加盟店の1割超の店舗で既に成人誌の販売を止めていることもあり市の働き賭けを機に「カバー実験にとどまらない取組みを」と検討していく中で全面販売中止に至った


同社の主要な客層は30〜40代男性 成人誌の販売中止に藤本明裕社長は「売上への影響はゼロではないが女性客に照準を合わせた商品展開の中で対策する 女性の割合は増えつつあり客層を広げたい」と話す


雑誌全体の売上が減少傾向にあることも背景にある 同社によると一般誌も含めた雑誌販売額は過去5年間で約2割減 成人誌の発行部数は5年間で約3割減り市場も縮小している


来年1月からの全店販売中止に先駆け市内全43店舗で12月から販売を中止するが市内では既に納品しておらず成人誌は売場からほぼ姿を消している


成人誌の陳列対策を巡っては堺市が昨年3月から ファミリーマートの一部店舗でカバーを掛ける取組みを始めた 日本雑誌協会は「公費を使った過剰な規制 表現の自由が妨げられる」などと反発 今回の発表に対し「(販売中止になる)成人誌の該当基準が曖昧だ」としている