6.無料治療(船形尋常高等小學校)

船形町中村龜七(明治4年4月13日生)は町醫・學校醫の職にあり震災に際し家屋倒潰せし上火災の爲身を以て逃れ出で 身には數箇所の打撲傷を負ひ普通の人ならば身動きもならぬ有様であるのに君は襦袢一枚を着せしまま鞄一箇を取り出し他は皆焼失せしに多數の負傷者の治療に月餘に及んで無料治療に從事し獻身的活動を持續せられしことは人々皆感謝の意を表しない者はなかつた