【被告国に対する請求[に]ついて】


1. 内閣総理大臣が昭和41年から昭和47年にかけてした福島第一原子力発電所一号機ないし四号機の設置許可処分又は変更許可処分は 国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえない


2. 経済産業大臣電気事業法39条に基づく「発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令」の改正権限・同法40条に基づく技術基準適合命令を行使して被告東電に対し 津波による浸水から全交流電源喪失を回避するための措置を構ずるよう命ずべき規制権限を有しており 遅くとも平成18年までに敷地高さO.P.+10mを超える津波が発生し得ることを予見することが出来たというべきであるが その予見可能性の程度及び当時の知見からすると 本件事故後と同様の規制措置を構ずべき作為義務が一義的に導かれるとはいえず また 原告主張の各回避措置を採ったとしても 本件事故を回避出来なかった可能性もあり 同年の時点で同規制権限を行使しなかつたことは許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くとは認められず 国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえない