スターリンの専制主義、覇権主義の犠牲となった同志たちを哀悼する

…山本懸蔵、杉本良吉、国崎定洞にかんする問い合わせへのロシア当局からの回答の発表にあたって【赤旗1992/05/19(4)】


1992年05月18日


日本共産党中央委員会常任幹部会


旧ソ連レーニンの死後、科学的社会主義と無縁なスターリン専制主義、覇権主義の体制がうちたてられ、世界の共産主義運動をもスターリン専制支配のもとにおくために、各国共産党に凶暴な干渉と圧力がくわえられた。そのなかで、ソ連に入国あるいは滞在した日本共産党をふくむ各国共産党の活動家にたいしても、不当なテロと弾圧が行われた。日本共産党は、この凶悪なスターリンのテロに倒れたわが党の活動家の消息についての正確な情報をもとめて、旧ソ連時代から関係当局に問い合わせをしていたが、1989年4月19日付けのわが党中央委員会の文書にたいして同年7月14日に、当時のソ連大使館経由で口頭による一定の回答があった。


その後、ソ連解体という新たな状況のもとで、日本共産党が本年2月末、ロシア政府の責任による調査の結果について、「赤旗」モスクワ特派員をつうじて問い合わせたのにたいし、このほどロシア連邦保安省から4月29日付けで公式の回答書簡がよせられたので、ここに発表する。


ロシア連邦保安省のこの文書回答は、わが党の3人の誠実な活動家が、「国家反逆罪」という根拠のない罪状で旧ソ連の弾圧機関によって逮捕され、処刑されたこと、その罪状がまったく根拠がないことがその後確認され、50年代後半に3同志いづれも「完全に名誉回復」されたことをあきらかにしている。


日本共産党は、ロシア当局のこの回答を発表するにあたり、戦前の絶対主義的天皇制下で暴圧にひるまず侵略戦争に反対し、日本国民の解放と世界の平和、社会進歩をめざす共同の大義に献身していたわが党の活動家を、スターリン専制主義の体制が、いかなる根拠もなく虐殺したことに、あらためてかぎりない憤激を表明し、犠牲となった同志たちを痛恨をこめて哀悼する。


日本共産党は、この専制主義と不可分・一体をなしていたソ連覇権主義と生死をかけた闘争を30年来一貫しておこなってきた。そして、ソ連共産党ソ連は、この専制主義・覇権主義の路線の必然的な破綻の結果として、解体、崩壊した。わが党は、この闘争がいかに根拠のある正当なものであったかをこの機会にかさねて確認し、この歴史的「巨悪」とその影響の完全な克服まで、科学的社会主義を擁護してたたかいぬく態度をあらためて表明するものである。