【解説】排除の'論理'で乗っ取り策す総評「指示文書」


総評が5月21日付けで各単産,県評議長宛てに出した平和行進問題での指示文書は,平和行進参加者をはじめ,広範な国民の怒りをよびおこしています


総評の平和行進にかんする「指示文書」は,平和行進に「分裂と排除の論理」を強引にもちこみ,その成功を根本からおびやかすものです. 同「指示文書」は「自粛」ということで平和行進の団体旗をすべて禁止し,今後「団体旗をかかげるかぎり,原水協グループは準備委員会の平和行進とは別のものとして位置づけ毅然たる態度にでる」など3項目の「実施要綱」を指示しています. 昨年来,総評は統一労組懇の旗を制限する'排除の論理'を平和行進にもちこみ,混乱させてきましたが,この指示文書は,それをさらにエスカレートさせ,長年にわたる日本原水協の平和行進の伝統を守り団体旗の自由をつらぬく原水協の隊列を,こともあろうに平和行進から排除しようとしているのです. これはいわゆる'ひさしを借りて母屋を乗っ取る'たぐいのもので平和行進を完全に総評のヘゲモニーのもとに置こうとするものです


そもそも,団体旗を規制したりするのは,歩くことによって,国民が自由に平和の意思表示をする平和行進の本来の目的に反するものです. 日本原水協は25年にわたり,毎年平和行進にとりくみ,成功させてきましたが,団体旗を自由にたてて問題がおきたことなど一度もありません. ヨーロッパなど,世界の反核平和運動のなかでも,団体旗を規制するようなところは,どこにもありません. 平和行進での団体旗の自粛要請や規制などということは,草の根からの広範なエネルギーの結集を妨げるものでしかありません


総評は,こうした言語道断の指示を,5月19日の世界大会準備委員会の作業部会で「満場一致で確認」したものだといっていますが,作業部会でそうした確認がされたことのないことは,作業部会に出席した市民団体代表も認めていることで,総評のデマは明らかです


平和行進を総評のヘゲモニーのもとにおくため,こうしたデマを重ね,手段を選ばぬ総評のやり方はきびしく批判されねばなりません


今回の平和行進をめぐる経過は,原水禁運動の国民的統一をめざした77年「合意」を裏切り,分裂に固執する「原水禁」・総評との無原則な共同行動は,結局,日本の原水禁運動の基調をかれらの許容する枠内に閉じ込めることになり,事実上,原水禁運動を総評の路線とヘゲモニーのもとにしばりつけるものであることをはっきりおしえています(S)