朝日新聞1983/3/6 11-5

女子大生に はかま人気 卒業式は復古調?


【写真説明 りりしくて素敵? 人気のはかま=大阪市内の百貨店で】



女子大生の卒業式や謝恩会に はかまの人気が定着したようだ. デパートには色とりどりの既製品も並び 目をひいている


きりっとした姿がうけたのかはかまを求めて貸衣装店を訪れる女子学生が数年前からふえはじめた. 大阪難波高島屋貸衣装部では,去年3月のピーク時に多い日で1日300着のはかまを貸し出したことがあったが,今年も日ごとに貸し出し数が伸びている. 今年,ためしに既製品をおいてみると,毎日5,6枚ずつのペースで売れている


この既成のはかまは関西の呉服卸業者が開発した. かつて一重の着物地として使われたセルという布地には,折目がつけ易い. そこに目をつけ愛知県のセル専門の織元に布地を注文し,縫製ははかまの産地として知られる山形県の工場へ. 紺の濃淡,えんじ,グリーンなど9色と4サイズが揃っている. 1着2万8千円


大阪の大手の呉服問屋,四菱の話では,関西の大手百貨店10社余りに卸したところ好調で,今季800着は売れそう,という. 人気があるのは濃紺・紫など. 宝塚音楽学校の生徒と同じグリーンは,関西ではなかなかの人気だが関東ではまったく駄目とか


「着物も矢絣など昔の女学生風のものに人気がある」(高島屋大阪店呉服担当の辻秀男営業課長)そうで卒業式の装いは何やら復古調だ