【基地対策】

漁民「120mm高射砲が1分間に6発ずつ立て続けにやられると話をするどころか,たいていの人間は物事を考える力を失ってしまう. 戸外に立てば無人機が墜ちてくる. 屋内にいても棚の置物が落ちてくる. 病人はますます病状が悪化する. 鶏は卵を産むのを忘れてしまう. 補償金をくれないから税を納めないのではない. 税を納めるだけ働かせてくれないからだ」


県「諸君の気持ちは十分,国にも伝えるが,納税は国民の義務だから,これを怠っては困る」


漁民「納税は義務だというが『生きる』というわれわれの基本的権利は何一つ保障されていないではないか…」


これは1954年11月8日,県庁内で豊海町漁民が山野県総務部長との間に取り交わした問答の一部である. 基地問題は県の行政とは直接の関係は無いが,この問題ほど県民の関心を集めた県首脳部が悩む問題の一つであった. 以下, 県内8基地の住民の声に当局がいかに応えてきたか各基地毎にふりかえってみよう