遠藤憲昭編『流行歌と映画でみる戦後の時代1 1946-1954』国書刊行会,1986/05/30

【p.20】


(写真)

『星の流れに』テイチク 1947年[東京新興音楽出版社発行]


『リンゴの唄』が流行した1946年、それとは対照的に、夜の女をテーマにした荒んだムードの『星の流れに』が作られたが、これが翌1947年になって大ヒット。


日本国憲法労働基準法の公布という新しい時代への動きとは裏腹に、栄養失調、ヤミ市、カストリ、停電、スト、といった言葉が飛びかうまだまだ暗い日常の中で、この歌のやり切れない暗さが共感を呼んだもので、歌った菊池章子の名を人々に印象付けた。


【p.29】

(写真説明)♪こんな女に誰がした…有楽町ガード下の女達

矢沢寛(保)『流行歌気まぐれ50年史』大月書店,1994/04/20

isbn:4272610635

□東京日々新聞1946/08/29【建設】欄投稿[*1]

顛落するまで


□私はこの三月中旬奉天から引揚げてきました。着の身着のまま、それこそ何一つ持って来られなかったのです。私は二十一歳です。奉天では看護婦をしてをりましたが、いまも免状だけは持ってをります。誰を訪ねてゆけばよいか、行先がありませんでした。本籍は福島ですが、両親はなく、遠い親戚があるとのことですが、どうなっているのかわかりません。だから、東京で働くより外に方法がありませんでした。


□やっと、他人様のお世話で女中奉公の勤口がみつかり、やれうれしやと思ったのも束の間、そこは待合であったのです。けれども、待合であらうと何であらうと、食べてゆくことができるのですから一生懸命に働きました。ところが二週間位経ったら、そこのお女将さんから「芸者になれ」とすすめられました。女将さんは「」といって、それよりもっと嫌なことを押しつけようとしました。私は驚いて、即座にその家を飛び出しました。風呂敷一つ持って…








国立国会図書館レファレンス共同データベース[*2]
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000141103
より

『歌は時代とともに/昭和21年から21世紀へ』野ばら社,//


池田憲一『昭和流行歌の軌跡』白馬出版,//


福田俊二『写真でみる昭和の歌謡史』柘植書房,//


*1:日付分かっているので郷土資料室でマイクロフィルムを読む

*2:例題として