2014-04-10から1日間の記事一覧

野村修訳B

かの女がおぼれて死んで、小川から 川へと流されていったとき、じつに異様に 空のオパールは冴えていた、さながら なきがらを宥めるためのように 浮きくさが藻が身に絡みついてきて かの女は少し重くなる、やがてずっしり重い 冷たく、魚が素足に触れて泳い…

野村修訳A

1 かの女は水におぼれて、小川から川へ 川から大川へとながされていった そのとき、空にはしろおく月影が冴え 光にはほのかに哀悼がまじった 2 浮き草が、藻が、腕に足にからみつき かの女は重たくなってゆく、しだいしだい つめたく、魚たちがかの女に触れ…