添田唖蝉坊♪労働問題研究せ研究せ
土取利行の明治大正演歌番外地 http://m.youtube.com/watch?hl=ja&gl=JP&v=yC8UHtH1YuU
津田耕次(河内音頭?版) http://m.youtube.com/watch?hl=ja&gl=JP&v=hgyDy_wXnuI
労働問題の歌
あちら立てればこちらが立たぬ 両方立てれば身が立たぬ
社会の風潮日に荒む 労働問題研究せ研究せ
物価が高いから賃金増してくれと いふてる間に物価がまたあがる
社会の風潮日にすさむ 労働問題研究せ研究せ
[*1]手をつなぐ手をつなぐみな手をつなぐ つなぐ労働者の 手と手と手
社会の風潮日にすさむ 労働問題研究せ研究せ
労働者の力は大したものよ 寝ていてこの世を闇にする
社会の風潮日にすさむ 労働問題研究せ研究せ
資本家の腹のなかどのくらい黒い 工場の煙よりまだくろい
社会の風潮日にすさむ 労働問題研究せ研究せ
会社そまつに身を大切に 以心伝心サボタージュ
社会の風潮日にすさむ 労働問題研究せ研究せ
犬が吠えるとて魚の骨投げて 投げて誤魔化す 温情主義
社会の風潮日にすさむ 労働問題研究せ研究せ
大正8年(1919)
(唖蝉坊詞・曲)
出典 … 添田知道『演歌の明治大正史』岩波新書 → 『演歌の明治大正史』刀水書房 1982/11/30 p.240 楽譜 p.242
友愛会は渋沢男爵を顧問と仰ぎ、ときにその園遊会に招かれたりすることで有頂天になるような甘さを笑われていたものだが、徐々の拡大とともに、次第に本部を置き去りにして下部が自主活動を進める勢いになってくると、鈴木文治会長も社会改良的微温思考から社会主義理念に近づきもしたようである。組合公認と普選の要求をつよめた。七周年大会では、それまで会合のとき斉唱していた君が代を、賀川豊彦作の友愛歌に切り換えるとか、名称も大日本労働総同盟とするなどのことがあった。
それでも労働者の団結を脅威とする感覚から、政府はこれに対して労使協調会なるものを設けた(内相は床波竹二郎で、この人は「思想善導」ということをしきりに唱え、そのPRに浪花節の吉田奈良丸を使うなどに一種滑稽感を漂わせたのは、どうやら現今の官辺が道徳教育を施そうとすることと似ていた)。
情勢が変わり、動いてきたことがわかる。が、労働者が団結すれば、かならずこれに対抗する御用団体もできる。しかも暴力的な。そして争議の相を険悪にし、問題のすり替えが行われる。
p.242
*1:土取利行さんの演奏では省略