オギンスキーのポロネーズ【祖国との別れ】

標記ビアノ曲はアンジェイ・ワイダ監督『灰とダイアモンド』最後にマチェックが洗濯物のシーツを真っ黒に染めて行く場面に流れる映画の終曲


以下『水牛オンライン』2014年12月号 http://suigyu.com/2014/12?bk=3 より

〈祖国との別れ〉

 作曲 M.K.オギンスキ


 作詞 斎藤晴彦


♪ なぜ 私たち日本人は 自分の国を


 祖国と呼ぶことになると

 言うに言われぬ異和感を持つ


 民族 民族という 言葉にも なぜか


 染みついたにおい


 大和民族 帝国日本人 八紘一宇 アジアの覇者 ジャパニーズ


 戦争に敗れ 国家主義から 民族主義へと 生まれ変わる日


八月十五日 蝉なく暑い日 三十と九年前

 果たして 何がどう この日本で 変わったといえるのか


 国の仕組みは 同じじゃないか 私たちの手で 新しい国を造ったのだとは 誰も言えない 天皇は居すわる 自衛隊はウジャウジャ 経済侵略


誰もが分かってる この日本の 国としての構造は 立憲君主国 天皇の国 そんな国を 誰が祖国となんて呼ぶか


 いやいや 民族の誇り 世界の理想の憲法だ 平和憲法 第九条 これがある


 なんて どいつが胸をはり うたがいもなく 偽りの真実を 声を大にして 叫んでいる奴がいたら 会いたいもんだ



頑張れ日本 めざせ金メダル これ即ち 私たちジャパニーズの精神構造だ 何もこれは お上が 下々に ゴタク垂れたことばではない われわれの 昔から 心の中にひそむ本音 これで アジアの民を 数多 殺した
ある日 ある時 この日本が 共和国になったとしたら ララララララ そんな夢をみてたら ねずみにかじられた (「水牛通信」1984年11月号より転載 この年の「カラワン歓迎コンサート」で高橋悠治のピアノ伴奏(?)で歌った。)



--- 転載終わり ---