授業の展開

(1) 学習の目的とねらい


生徒自らの力で社会政治用語に関する資料を集めたり情報収集をしたりして みんなで話し合い 関東大震災の被害と朝鮮人虐殺について理解しながら学ぶ


なお 関東大震災については5年生「社会」の「日本史」部分で扱われ 中級部では社会科目で日本史「在日朝鮮人の歩み」の中で関東大震災朝鮮人虐殺の事実を学んでいます


対象: 2016年度初級部6年生


教材: 物語 奈良和夫著「朝鮮から来た弟」


内容: 登場人物 まきこさん しんさん ちゃんぼむ 朝鮮から職探しに来たしんさんの弟ちゃんぼむとしんさんが上野駅近くの木賃宿で久しぶりに再会するが そこで関東大震災に巻き込まれます 日本語の授業で読んだこの「朝鮮から来た弟」は実話に基づいて書かれたものです 愼昌範という実在の方(松戸市在住)で実際に体験されたことを参考にしています


(2) 学習の流れ


学習は次のような流れでおこないました


本文の理解と調べ学習・そして特別授業(調べ学習の発表→お話を聞く→質疑応答と感想発表)を受け まとめの感想文を書く


はじめに物語のあらましを捉え 日時を追って出来事を押さえました そして主人公たちが大震災の被害をどのように受けるか 状況を把握しました


読み進みながら その都度 感じたこと 気付いたこと 衝撃だったことや疑問等をメモしてじっくり考え 理解に努めます そして生徒自らの力で社会政治用語を調べまた関東大震災に関する本や資料を集めたりインターネット等を利用して情報収集したりする力を付けるようにします


次に班毎に調べた内容をまとめ 時間をかけて思考・判断し 意見をまとめて発表の準備をしました そしてみんなで話し合う過程で関東大震災の被害と朝鮮人虐殺についてより詳しく知るようにしました


特に千葉県で起きた虐殺事件に目を向け 他人事 歴史的出来事として片づけるのではなく 在日朝鮮人の歩みとして捉え 深く関わることで前向きに生きる姿勢を持たせるようにしました


(3) 調べ学習


物語のあらましと言葉の意味などを勉強した後 調べ学習をしました


[a] 関東大震災の被害について


[b] 時代背景について


[c] 流言蜚語と朝鮮人虐殺についてなど


図書室で関連性があると思える本を集め 情報収集をしました しかし 参考図書がかなり古かったり小学生には難しかったりしましたので たとえば「労働組合 暴動 社会主義者 無政府主義者 内乱 米騒動 戒厳令 教育勅語 不逞鮮人」等はその意味を調べるための学習がさらに続きました


調べながら話し合う また 調べるを繰り返す過程で 自分なりの考えをまとめ 調べたものを黒板に掲示し発表しました


そして発表して(もしくは聞いて)わかったこと・感じたこと・伝えたいことを考え その間に思ったことを最後にまとめました