■ 横濱市内に新温泉涌出

去る11日頃 横濱市南太田町に新温泉が涌出した 冷水を入れた鐡瓶を浸すとすぐに沸いて熱湯に成るなど大騒ぎをしていたが 翌日藤原理學博士が實地を踏査した報告によると「直径1尺の穴2つが出来 其上部の方からは盛んに青色の煙を吐き 下方の穴は一見温泉の如く 其周圍に湯の花附着し 湯水には塩分を含んで居るが 精査してみると其場は材木置場で數百本の材木が火災のため土砂の下敷になつて蒸焼きにされ その結果木質から酢酸を發酵したのが塩分の味と成り青色の煙と成つたものである 其材木の蒸焼きが終れば湯も冷え煙も消えるのである」とは大笑ひの事で地主が糠喜びをした落膽さも察せられる