東京新聞 2016/12/15 26面 千葉中央

沖縄・オスプレイ事故
「欠陥」計画見直し求める声

13日夜沖縄県名護市沖の浅瀬に不時着し大破した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属新型輸送機オスプレイの事故。一夜明けた14日、県内にも衝撃が広がった。陸上自衛隊木更津駐屯地(木更津市)では来年1月から普天間飛行場配備の米オスプレイの定期整備開始を控えていたが、今回の事故で、地元住民からは「計画を見直すべきだ」との声が上がった(北浜修)



定期整備予定 木更津駐屯地

地元住民に衝撃

[写真説明]10月24日、木更津駐屯地で行われた米海兵隊・新型輸送機オスプレイの騒音測定[濃紺に黄色字で「防衛省 北関東防衛局」ジャンパーの二人]


県と木更津市は14日それぞれ、稲田朋美防衛相らに要請書を提出した。要請書では、事故原因の検証と情報提供のほか、オスプレイの安全性が確認されるまで、定期整備開始を見合せる よう米軍に要請することを求めた


オスプレイの定期整備を巡っては10月24日、米軍のオスプレイ2機が初めて木更津駐屯地に飛来し、陸自の大型ヘリコプター CH-47 と騒音を比較する測定が行われた


市は今月9日、オスプレイの飛行は平日の午前8時半から午後8時までとすることや、市街地から離れた滑走路を使用することなどを、防衛装備庁などに要請。13日には防衛装備庁の担当者らが木更津市を訪れ、定期整備の開始時期を来年1月中旬以降とする見通しなどを説明していた


今回の事故を受け、オスプレイの飛行は当面停止になった。木更津駐屯地オスプレイの定期整備の拠点となることの妥当性が、あらためて問われる事態となった


14日の要請書提出に当たり、市の担当者は「原因が分かるまでは、整備開始は待っていただきたい」と話した。木更津市の渡辺芳邦市長は「事故が発生したことは大変遺憾だ。国および米軍には、しっかりと対応していただきたい」とのコメントを出した


地元の反対派住民団体オスプレイ来るな いらない住民の会」事務局の野中晃さんは「定期整備はもうスケジュール通りにはいかない。(事故機の)機体はばらばらで事実上の墜落ではないか。オスプレイは構造的な欠陥があると言わざるを得ず、計画は見直すべきだ」と話した