自衛隊オスプレイ,木更津に配備検討 佐賀断念の場合(朝日新聞)

【出典】http://micro.asahi.com/i/article/ASJ2962PDJ29TTHB011.php


 陸上自衛隊が導入するオスプレイ佐賀空港(佐賀市)配備計画をめぐり、防衛省自衛隊が佐賀配備を断念した場合に備えて陸自木更津駐屯地(千葉県)を候補地として検討していたことが分かった。具体的な行程を記した検討資料を作成していた。佐賀配備は地元との調整が難航しているが、防衛省関係者は佐賀配備の断念は考えていないとしている。代替地の検討が明らかになるのは初めて。


 複数の関係者が明らかにした。それによると、防衛省自衛隊は昨年夏までに配備計画の検討状況資料を作成。佐賀県などが受け入れない場合、同10月にも佐賀を断念して木更津配備の準備に着手すると明記した。木更津で来年度以降に本体工事にとりかかり、2019年度末までに格納庫などを整備するとした。こうした内容は、佐賀側にも伝わっているという。


 資料作成後、中谷元(げん)防衛相が佐賀県を訪問して山口祥義知事らに改めて配備を要請したが、受け入れの見通しは立っていない。


 今年度予算に盛り込んだ佐賀空港隣接地の買収費など106億円は、地権者である地元漁協組合員などの合意を得られず未執行。防衛省は新年度予算案では佐賀配備関係の予算計上を見送った。一方で同省は、18年度末までにオスプレイを17機購入するため、新年度予算案にオスプレイ4機分の購入費として447億円を計上している。


 防衛省は佐賀配備の目的について、南西諸島防衛のため新設する「水陸機動団」(長崎県佐世保市陸自相浦駐屯地に配備)と連携させるとしてきた。木更津については、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の米オスプレイを含めた整備拠点だと説明。木更津への配備は、こうした前提が崩れることになる。


 佐賀配備をめぐっては8日、佐賀県議会の特別委員会のメンバーら29人が木更津駐屯地を視察し、現状について説明を受けた。同駐屯地では格納庫一つを今年中に改装し、来年1月からオスプレイの整備を開始する予定だ。ただ、佐賀側は受け入れについて、県のほか佐賀市や漁協を含めた地元の意向が固まっていない。


 防衛省関係者は木更津配備の検討について、「(佐賀の受け入れ環境が整わない中、)新年度予算編成を考えた。佐賀配備の断念は考えていない」と説明。佐賀側に受け入れを促す材料だとしている。
(02/09 08:27)