全集の構成[全集第一巻のカバーより転載しました]


第1巻 大正アバンギャルド運動・漫画家としての出発点 (1916-1927) --今の処僕には漫画という形式が一番恰好だ…『種蒔く人』『文芸戦線』の運動に参加した大正期の,漫画,詩,評論,雑誌表紙絵,単行本装幀を収録. ダダのゲオルゲ・グロッスの作風に多大な影響を受けた時期の作品


第2巻 プロレタリア芸術運動の隆盛・大衆読者への意識 (1928-1933) --俺達の絵筆を送れ!!…『無産者新聞』に反骨精神に溢れたアジプロ漫画や挿絵,プロレタリア作家の単行本装幀,『アサヒグラフ』に連載した娯楽的なナンセンス漫画,『無産階級の画家 ゲオルゲ・グロッス』(編集)や『無産者グラフ』を収録. 大衆社会の光と陰を映し出した作品群の集成 http://yanasemasamu.blog.fc2.com/?mode=m&no=25


第3巻 読売新聞 (1920-1936) --1920年から24年までの政治家の似顔絵や議会漫画,そして再入社した30年から36年までの漫画を収録. 諷刺画はじめ,コミック漫画「金持ち教育」「パン太の冒険」,フォトコラージュを駆使した「真夜中から七時まで」(モーリス・ルブラン)の挿絵など意欲的な作品の宝庫


第4巻 戦時体制下の仕事 (1934-1945) --現代の画家一般は全て漫画家でなくてはならない…『北支』『協和』などの満鉄宣伝雑誌に発表した満州・中国旅行の紀行文スケッチや表紙絵,『子供之友』『コドモノクニ』などの児童雑誌に柔らかな筆致の童画,火野葦平の連載小説「みづうみ」や『週刊朝日』の挿絵,俳句や写真構成など,晩年までの作品を収録


別巻 解説,同時代評,著作目録,年譜