下書

広島への思い


広島には10年前までは絶対に寄りつかなかった. 広島の町を見ると,思い出したくない過去のことをすごく思い出すのだ. 例えば,川を見ていると,累々たる白骨が思い浮かぶ. 町を歩くとああだった,こうだった,ということがよみがえるのだ. 死体の臭気を思い出すとやりきれない. あの臭気というのは言葉では表現出来ない. だから,広島には寄りつきたくないという感覚があった. しかし,恩師がいるしその誕生祝いに同級生も集まる. やはり広島はいいな,と思うようになった. 時代が生々しい記憶を押し流してくれたのだろう. そのうち広島で骨を埋めるつもりだ


広島人というのは実に保守的だと思う. 広島の保守的なところは変えなくてはならない. 変わるためには,各個人がこつこつとやっていくほかにはない. 僕は漫画家だから漫画を武器にして戦う以外にない. 各ポジションにいる人が各ポジションで訴えていくほかないないのではないか. 広島の保守性は変わらないという否定的な気持ちは強いけれども,可能性を生み出す気持ちを持ち,自分を鼓舞するのだ. 広島もアウシュビッツのように人間の尊厳をもっともっとうたい上げていかなければならないと強く思っている【2007/08/20】