去る5月23日の午後, 参議院議員会館講堂で「橋下発言に抗議する緊急院内集会」が開かれました. 「女性の人権を尊重する政治を!」求めた集会の共催団体235. この数から見ても, 5月13, 14日の橋下発言がもたらした女性の怒りの大きさを推し量ることが出来ると思います. 会場200席は埋まり倍以上の参加者で超満員, 熱気に溢れていました. 私も参加者の一人となり, 発言も[*1]


『橋下氏「慰安婦は必要だった」』という見出の5月13日朝日夕刊に驚き, 更に翌朝の『沖縄県普天間基地の米軍司令官に「風俗業の活用」進言』に至っては, 言語道断. 怒りと共に恥ずかしさを禁じ得ませんでした


当然, この発言に対する怒り, 批判, 疑問の声が上がりました. しかし, 一方政権内の歴史認識をめぐる発言や, 橋下発言の擁護や同調発言[*2]まである等, どうしても我が国の土壌, 橋下発言を生み出した土壌が, 我が国にあることを問わなければならないのではないかとの思いを強くしました


なぜ, 日本の軍隊は行く先々に慰安所を設け, 慰安婦を, しかも強制的に連れ込むような制度を, 世界的にも特異な制度を編み出したのか. 出せたのか. 「売買春」を許容してしまっている我が国の精神的風土, 性倫理の低さ, もっと根本的には女性蔑視の世界の故ではないかと思えてなりません


ここから, 今回の「慰安婦」必要論が生まれ「風俗業活用」発言も発せられたと考えられないでしょうか


今回, 少なくとも半月余り, 爆発的にマスメディアを賑わしました. おかしな話ですが「慰安婦」問題を知らなかった人々に知られ, 無関心な人の関心を誘うという結果を作り出したとも云えるでしょうか. が, 打上花火のように消えてしまわないことを願います. 決して忘れてはならず, 無関心であってはならない問題ですから


慰安婦」の問題は1990年6月の参議院予算委員会で初めて取り上げられ, 翌年8月韓国からお一人名乗り出られたことから問題化し, 23年後の今日もなお収束を見ることなく, 時を経て一層問題は複雑となり, 重さを増し, そして残念ながら, この度の橋下発言にまで至ってしまいました. この間, 元「慰安婦」の方々はどのような思いで過ごされたのでしょう. その思いを想像しなければなりません. しかも, 名乗られた方々の半数は他界されたという重い現実を我が事として深刻に受け止めなければ…


[49頁左下写真]「丘の上の『鎮魂の碑』」

*1:20130522 天羽道子(かにた婦人の村)【橋下発言に抗議する緊急院内集会】https://m.youtube.com/watch?v=co42FFsHx6Q&fulldescription=1

*2:斎藤美奈子 責任転嫁大王【東京新聞2013/05/22(27面)】id:dempax:20130522参照