あんぱんまんはおもいつきでものをいう
戦前の出版物の8割は空襲で焼失,残りの一部は著者/出版関係者によって処分されたと伝え聞くが, ≪GHQによる焚書図書≫についてGHQの焚書命令はあるのだろうか*1
西尾幹二blogより抜粋引用 http://www.google.com/url?sa=D&q=http://nishiokanji.com/blog/2006/06/
GHQによる焚書図書は約7100冊あると推定され, うち約5000冊は澤龍氏のコレクションに所蔵されている.
これとほゞ等量の, 焚書からは漏れたが, 大略同内容の, 昭和8年頃から19年頃までの, 今は誰も省みない図書が同氏のコレクションに蒐められている. 帰国すると同氏から葉書を頂き, 後者をどう考え, どう扱ったらよいか相談にのってもらいたいというので, 早速電話し, 25日(日)鎌倉のお宅のコレクションの現場に伺うことになっている. 【2006/06/25】
澤氏によると焚書図書は従来の目録の間違いもあって確かなところは総数約7100冊である. うち6100冊はページ数などを確認ズミ, さらにそのうち約5000冊を所蔵しているという. 6100から5000を引いた1100冊は国立国会図書館で確認し得たものである.
国立国会図書館は焚書図書の約7ー8割を保存していると彼は推定している. 焚書を免れたのか, 長い戦後史の期間に補充買いしたのか, 詳細は分らない. 澤さんが所蔵し図書館にないものもあるし, その逆もあるようだ. 【2006/06/26】
戦後もしばらく古書店ではいくらも目撃されていたはずだが, 占領軍によって流通を止められ禁書扱いされたので, 私が読書年齢に入ったときにはすでに私の視野の中には入っていなかった.
今度わずか50冊ほど見ただけでいくつもの発見があった. アメリカとの戦争を主題にした本が7冊あった. うち5冊は歴史を扱っている. 面白いことに気がついた.
戦争に至るまでのアメリカとの交渉を歴史に求めている著者たちは, 大抵幕末にまで遡っている. ペリーの浦賀来航に「侵略」の起点を見ている.
なかには昭和15年10月刊の『日米百年戦争』(アメリカ問題研究所編)という本があって, 歴史を見る尺度をもっと大きく取っている. ポルトガル, スペインの地球制覇の野望に欧米文明の危険の萌芽を見ている. アメリカとの百年戦争をヨーロッパとの五百年史の内部に位置づけようとしている.
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GHQによる焚書はやはり小さくない出来事だったのだ. 私の若い頃の歴史を見る目の誤差をすでに引き起こしていたのである. 【2006/06/27】
私の見た範囲でさえ焚書図書の多くが幕末に日米戦争の起点を見ている話をしたら, 澤さんは面白がった. 林房雄の百年戦争史観は私より歳上の世代には, 戦前・戦中から説かれたむしろありふれた, きわめて一般的な視点であったわけだが, その割に当時の言論人が私たちの世代にこの点を教えてくれなかったのが今思うと不思議でならない. 【2006/06/28】
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しかし8月15日を境いにパラダイムは一変した. 日本は目を覚ましたのではなく, 目を鎖したのである. 自分で判断し, 行動することを止めた. 主権を外国に委ねてしまったからである.
8月15日より以前の日本人の心の現実を見直す時代が今来ているのである. 遅きに失する嫌いさえある.
日本人の歴史はいまだ書かれていない. 歴史は過去の事実がどうであったかを今の地点から確かめる作業ではなく, 過去の人間がどう考え, どう感じていたかを再体験する作業から再体験する作業である――少くともそこから始まる.
私がGHQ焚書本に注目しこれを知りたいと思ったのは, 「現代史」を書きたいと秘かに念じたからである. 冷戦崩壊後ソ連から一時かなりの資料が解禁され, アメリカの公文書館からも少しづつ(対ドイツ戦に比べれば遅れているが), 戦時資料が公開され, われわれも次第に複眼を得るようになった.
ここで昭和初年から20年までの日本人の世界認識, 日本人の戦争への覚悟がどう表現されたかを知り, 三番目に今までの戦後の日本人の思想をこれらに加え, 三本柱で歴史は書き直さるべきだと思っている.
一番目については, 2年くらい前から若い友人柏原竜一氏にインテリジェンスの世界を中心に, アングロサクソンの考え方をめぐって, 書籍の紹介や知見のご披露をもって私の蒙を拓いてもらっている. 私がなかなか呑みこみが悪く, 彼を苛立たせているのが現実だが, これは見通しが立っている.
しかしどうしても接近がむづかしいのが2番目の文献である. GHQ焚書図書がそれである. 自分に残された人生の時間と生命力とをも考慮して, どのように解明に当るべきかを思案中である.
私は歴史家ではない. 大きな規模の叙事詩を書きたい. 正確をめぐる諸論争にまきこまれたくない. 人間として生きた日本人の心の歴史を書きたい.
例えば焚書図書の中で私が拾い出し, これは本物だと思って今熱心に読んでいるのは谷口勝歩兵上等兵『征野千里――一兵士の手記――』(昭13)という, 完全に忘れられた一冊である. 私の目指している方向をお察しいただけたら有難い. 【2006/06/29 太字強調は引用者による】
国立国会図書館検索結果 http://opac.ndl.go.jp/ → NDL-OPAC 一般資料の検索(拡張)/申込み
請求記号 751-255-(32)
タイトル 日米百年戦争
タイトルよみ ニチベイ 100ネン センソウ
責任表示 アメリカ問題研究所編
出版地 東京
出版者 アメリカ問題研究所‖アメリカ モンダイ ケンキュウジョ
出版年 昭15
形態 186p ; 19cm
シリーズ名 戦争文化叢書 ; 第32輯
シリーズ名よみ センソウ ブンカ ソウショ ; 32
全国書誌番号 46061471
団体・会議名標目 アメリカ問題研究所 ‖アメリカ モンダイ ケンキュウジョ
NDC(6) 295.3
本文の言語コード jpn: 日本語
発行形態コード 0101: 図書
出版国コード JP: 日本国
西暦年 1940
校了日 19971120
最終更新 19971120000000
書誌ID 000000721904
請求記号 763-38
タイトル 征野千里 : 一兵士の手記
タイトルよみ セイヤ 1000リ : イチ ヘイシ ノ シュキ
責任表示 谷口勝著
出版地 東京
出版者 新潮社‖シンチョウシャ
出版年 昭13
形態 270p ; 20cm
全国書誌番号 46060600
個人著者標目 谷口, 勝 (1916-) ‖タニグチ,マサル
NDC(6) 915.9
本文の言語コード jpn: 日本語
発行形態コード 0101: 図書
出版国コード JP: 日本国
西暦年 1938
校了日 19941209
最終更新 19941209000000
書誌ID 000000721038
NACSIS Webcat 検索結果 http://webcat.nii.ac.jp/
『日米百年戦争』所蔵図書館 5
岡大 附属図 302.53/N 016000279790 京大法 328||Am 714021 天津図 日本文庫 210.7/21442 21442 東大養 アメ 940.53:A51 3700021144 明星大 日野 210.7||A44 804203681
『征野千里』所蔵図書館 13
金大 図書庫 393.2:T164 8301-20210-6 滋県大 916/タニ/朴文庫 0076171 滋大経 717||T3-1||1 087164428 静大 図 916/TA44 0089161301 樽大 S 10.8||00152||030595 001030595 帝塚大東生駒 916W//T15 S1100167599* 天津図 日本文庫 393.2/12968 12968 東大育 図書 393.2:T 5780805361 同大 A916;T430 B;0000807621 奈県図情 旧橿原 916-400 1610146041 奈県図情 戦争文庫 916-1412 981019215 富大 図 旧制523||T9||1 90166949 北教大 915.6/T 011022952
参考uri
虚構の皇国 http://tadanorih.hp.infoseek.co.jp/
> 皇国トンデモ本 http://tadanorih.hp.infoseek.co.jp/tond1index.htm
狂気の「ぶち殺せ!」標語*2 http://tadanorih.hp.infoseek.co.jp/tondemo/tondemo01.htm
「野獣民族アメリカ」の恐怖*3 http://tadanorih.hp.infoseek.co.jp/tondemo/tondemo02.htm
空席通信on the NET http://sakuramo.to/
陸軍中野部隊上等兵 谷口勝
『征野千里 一兵士の手記』
序文 陸軍少将 桜井忠温
(新潮社 1938.12.10印刷 12.13発行 定価1円)
さほど珍しい本ではないと思うが...
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