自縛特攻隊員たち/「志々目証言に関する一論考」もしくは『聖書の暗号』


日本会議地方議員blog 草莽崛起 PRIDE OF JAPAN 2006/05/26 「百人斬り」東京高裁の問題点 http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-368.html



クッキーと紅茶と id:bluefox014 2006/05/28 コメント欄のころすけ氏 http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060528/p1#c



「百人斬り」を道徳で授業する 全発問・説明 「Toss水芭蕉」千明浩己 http://www3.ocn.ne.jp/~chigiran/hyakuningiri4.html
「日本刀と鉄砲で日本人の気概を育てる」論文全体(学級通信より)「Toss水芭蕉」千明浩己 http://www3.ocn.ne.jp/~chigiran/nihontou4.html

参考:

思いて学ばざれば 2006/05/30 http://d.hatena.ne.jp/mujin/20060530/

作文書いたんだけど, これじゃ先生に叱られるかな 20060602 http://d.hatena.ne.jp/terracao/20060602



いわゆる百人斬り競争, いわゆる志々目証言に関する一論考 誰が『ニーライライ』と話したか? http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/

以下,太字強調,"*n"注記は引用者による.余分な改行は削除した.

一方の『志々目証言』はご存知かと思うが, 志々目彰氏が, 昭和46年12月雑誌『中国』に(正確には雑誌の12月号, 実質11月には発行されていた模様である. )昭和14年春, 母校を訪れた先輩・野田毅少尉が当時小学生だった志々目氏等に, 講演にて語った内容は, 百人斬り競争の内実が“捕虜の据え物斬り”であった事を示すものであった旨投稿したものである. ここで明記しておきたいのは『志々目証言』は現時点で完全に証拠の位置付けを得ているものではないということだ.

以前より

  1. 一緒に講演を聴いた志々目氏の同級生達がなしている, 野田少尉の講演で『志々目証言』に相当する話を聴いた覚えが無いという証言があること
  2. 30年以上時が経て当時小学生だった時の記憶が正確な物であるのか

との批判に対して明確に応えられていないのだ. (コラム3 http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/column3.html に関連記事)

以上の事柄などを経時的に整理する. 『土と兵隊』が『志々目証言』から派生したという可能性を否定する致命的な矛盾が存在しない (*ママ *1 )ことを確認しよう. ....【(2) 『土と兵隊』は完全にオリジナルである. 『志々目証言』の原典ではないのか? http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/honron2.html

資料4 あるインターネット掲示板で発見した『火野葦平の手紙』と『志々目証言』を比較した小論争

インターネットの掲示板に掲示された文章の引用はどのようにすべきなのかと, 少し躊躇いがある. 公知という概念に従えば誰もが閲覧可能な状態に置かれた掲示板記事の引用は自由であると思うが, 出典をどこまで明確に示すのかまた曖昧にしうるのか. 特に今回は公共性のある団体とか文筆を生業としているような個人ではなく, まったく個人(もしくはグループかもしれないが)の運営するもののようである. 本来は引用元をきちんと示すべきであろうが, ネットでしばしば起こるアクセスの過剰集中等懸念もあるので, HPアドレスやハンドルネーム等は伏せることとした. http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/siryou4.html

盗用 *2 の例 *3

矛盾点がないと言うより, 他の証言資料と接... A氏 2004/08/23 22:14:49

また, この志々目証言中の野田少尉の言葉とまったく同じような光景が, 火野葦平の手紙記載されています. 以下, ××さんのHPの記述を提示しておきます.

    http://www. xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

---- 引用 ----

昭和十二年十二月十五日, 南京にて

 それから, 戸口の方へ廻ると, 中でがやがや声がして居ます. 戸を破らうとしたが, 頑丈で破れない. コンクリイトの厚さは二尺近くもあります. 見ると, 扉の横から電話線が通じてある, これは相当な奴が居ると思つたです. 戸口を銃剣でつついて, 「ライライ」とどなりました. 支那語は知らんし, 来い来い, といふ言葉で, 出て来いといふ意味を云ふ外なかつたのです. ライライと何度もどなつてゐると, 中の奴が, 戸口の方へ来る様子です. 出がけに打たれてもばからしいと思つてゐると, 戸が内側からあいて, 若い支那兵の顔が見え, 向ふから銃をさし出しました. (中略)つないで来た支那の兵隊を, みんなは, はがゆさうに, 貴様たちのために戦友がやられた, こんちくしよう, はがいい, とか何とか云ひながら, 蹴つたり, ぶつたりする, 誰かが, いきなり銃剣で, つき通した, 八人ほど見る間についた. 支那兵は非常にあきらめのよいのには, おどろきます. たたかれても, うんともうん(ママ)とも云ひません. つかれても, 何にも叫び声も立てずにたほれます. (「国文学」2000年11月号 花田俊典「新資料 火野葦平の手紙」より)

 ---- 終わり ----

 ※『○○○○ ××××××』より

 http://www. xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

■ 以上のように, 「「ニーライライ」と言われたらノコノコ出ていく」ことや, 「おとなしく並んでスパスパ斬られていく」ことは, 証言としての矛盾とはいえません. 具体的にな事例は以上のとおりであり, これで「B氏」さんにも理解していただけるものかと期待しております. 【 http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/siryou4.html

対照表―話の骨格, 構成要素の一致 http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/honron33.html

表1 http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/hikakuhyou.html *4 に『志々目証言』と『土と兵隊』の構成要素の比較を表形式でしめす.

[中略]

以下に考察結果をまとめると

  1. 話の骨格(筋立て), 話を構成する主要要素がほとんど一致していること. 例えば舞台はかたや塹壕, かたやトーチカという具合に細かくは違っても巨視的には“同じ”野戦陣地である. 敵に投降を勧める呼びかけの台詞も“ニーライライ”と一致, 投降した敵を殺害してしまうのも一致する. シナ兵の投降の形容“ぞろぞろ”も一致する部分がある.
  2. 両者を比較すると『志々目証言』中の野田少尉が話したとされる内容は, 具体性が削られている. 例えば“ニーライライ”と呼びかけたのは誰なのか. 『志々目証言』単独ではなんとなく野田少尉自身であろうと思ってしまうが, 表にして比較してみると実の所隣にいた兵隊(部隊のだれか)が呼びかけたと解釈したければそう強弁できてしまいそうである. 両者を並べてみることにより『志々目証言』の曖昧さが際立ってくる.
  3. 『志々目証言』では論理的矛盾を含む表現, 文脈が散見される. 占領している塹壕に向かって更に投降を呼びかける, 支那兵はバカだからと分脈を断ち切った断定等
  4. 最後の結論というべき心理描写において際立った対照を示す. 一方は捕虜殺害を「なんでもない」と語る悪魔のような軍人であり, もう一方は暗然とした思い/怒り/嘔吐/気の滅入りを覚える苦悩する人間である.

以上の1)から4)は“劣化コピー”つまり元になる話の部分部分に表現の微修正や微妙なロジックの転倒等を加えて別の話にしたてた際の, (判り易い例でいえば, 伝言ゲームや噂話)の典型である. 最終的な価値判断が180°異なるからといって独立した話ということには決してならず, 価値判断に至るまでの筋立ての関連性が強ければ, 価値判断の顕著な逆転は原本−盗用の関係ではしばしば見られる特徴といえるであろう.

以上 3.詳細検討 3項 まで読めば "考察結果のまとめ" おわり. 以下, 省略.


3.詳細検討 4項 『志々目証言』に流れる不協和音 −トーチカが塹壕に置き換えられた痕跡
4. 本多勝一氏が知っていた可能性
5. 補遺(塹壕についての検討)・塹壕は開放的か?

主義主張は各人よって立つ立ち位置があるにしても. 他者に向けた批判の矢は同一の基準で自らにも飛んでくると覚悟するべきではないだろうか 【コラム4 細かなこと1 http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/column4.html

*1:『土と兵隊』(1953年文庫版)が 『志々目証言』(1971年12月号の雑誌『中国』掲載)"から派生したという可能性"は無いだろう.

*2:引用について詳しくはサイバースペースの法律 http://www.law.co.jp/okamura/index.html 著作権情報センタ http://www.cric.or.jp/ などを参照. なお≪いわゆる百人斬り競争, いわゆる志々目証言に関する一論考 誰が『ニーライライ』と話したか?≫作成者によれば≪しばしば世を騒がす歌手の歌の盗用, 作家の小説の盗用等それを見聞きした情報の受け手が盗用と感じるかどうかで事は決している. ある程度の割合で人々が盗用に見えるというなら, こう感じる・見る者が見ればという理由付けは本来そう不当なことではない. ≫ http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/honron3.html とのことである

*3:引用の範囲と呼ぶためには出典が明示されている,改変されていない,分量が引用の範囲であることが必要

*4:対照表の url 正しくは 表1『志々目証言』と『土と兵隊』構成比較 http://www.k4.dion.ne.jp/~nouveau/hyou1.html