東京大空襲関連=補遺=すみだ郷土文化資料館・平成16年度 特別展「東京空襲・60年 - 3月10日の記憶 -」

id:bluefox014:20050311 記事への応答にはなっていないが,補遺として [*1]


すみだ郷土文化資料館・平成16年度 特別展「東京空襲・60年 - 3月10日の記憶 -」

開催期間:平成17年1月22日(土)〜4月10日(日)

今年2005年(平成17)3月10日は, 墨田区に甚大な被害をもたらした東京大空襲から, 60年目の節目の年にあたります. しかし現在, 被災者の高齢化とともに, 空襲の記憶は次第に薄れてきつつあります. 空襲体験者の記憶を, 聞き取りなど様々な方法で記録にとどめ後世に伝えていくことは, 現在, 緊急の課題となっています.

東京大空襲の記録は, 空襲被害の大きさにもかかわらず, その実相について不明瞭な点が多いのが特徴です. 空襲被害状況の把握は, 町の焼失範囲や建物などの被災状況を断片的に記録するものが多く, とりわけ, 最も大切な「人」の被災事実自体が明確になっていません. たとえば大空襲による総死者数すら, 約10 万人以上という曖昧な統計的把握にとどまっているのが現状です. そこで当館では, 江戸東京博物館・豊島区立郷土資料館と共同調査を実施し, その成果を空襲犠牲者の居住地・死亡場所を示した被災地図にまとめ, 空襲による人的被害の実相の把握を目指しました.

一方, 当館では, 昨年度と今年度の2カ年にわたり, 空襲の直接体験者から, 体験を自ら描いた絵画を募集してきました. 空襲による「人」の被害は, 空襲当日の犠牲者だけにとどまりません. 大切な家族を亡くし, 自らも傷害を負うなど, 苦悩を抱えながら戦後を生き続けてきた体験者一人一人の心の中に刻まれた傷痕も, また大きな人的被害といえます. 体験画は, 傷つけられた体験者の「心」を映し出す, 痛ましい記録なのです.

空襲でかけがえのない命を失われた方々の「記録」, また心に戦争の傷痕を抱える体験者の方々の「記憶」を, 被災地図と絵画を通じて紹介し, 空襲被害を受けた「人」の視点から, 東京大空襲の真実をとらえていきたい, と考えています.

すみだ郷土文化資料館 HP http://www.city.sumida.tokyo.jp/~kyoudobunka/uketuke.htm
すみだ郷土文化資料館だより No.7「東京空襲〜銃後の戦争〜」展 2000/02 http://www.city.sumida.tokyo.jp/~kyoudobunka/miyakodori07.htm

すみだ郷土文化資料館 特別展「東京空襲60年・3月10日の記憶」開催! 2005/04/10 まで http://www.city.sumida.tokyo.jp/~kyoudobunka/04tokyokusyu60nen.htm



柏書房 http://www.kashiwashobo.co.jp/index.html
ほぼ週刊書籍情報 2005/03/06 に『物悲しい東京大空襲http://www.kashiwashobo.co.jp/new_web/news/news.cgi


すみだ郷土文化資料館=監修『あの日を忘れない - 描かれた東京大空襲』(柏書房 2005/01/25 2,100円 税込) http://www.kashiwashobo.co.jp/new_web/find/pick/anohi.html あの日を忘れない―描かれた東京大空襲

内容:

1945(昭和20)年3月10日未明, 米軍爆撃機約300機が東京の下町を襲いました. 浅草・本所・深川周辺(現在の台東区墨田区江東区)は火の海と化し, 首都東京の下町一帯は壊滅的な被害を受けました. 死者は一晩で10万人を超えたといわれています.

本書は, 空襲体験者96人が自らの手で描いた被災体験画121点を1冊にまとめた絵画集です. 愛する家族を亡くし, 家を失った記憶. 大きな心の傷を受けた記憶. 遺体の積み重なる町中を, 家族を捜し歩いた記憶…….

被災者の脳裏に深く刻み込まれた記憶の残像を, 戦争を体験していない戦後世代の多くの人々に伝えたいという強い思いが絵筆に込められています.


目次:

刊行にあたって

3月10日以前の空襲
3月10日の大空襲 遠望
3月10日の大空襲 火焔のなかで
3月10日の大空襲 死者・負傷者・避難民
3月10日の大空襲 遺体の収容と仮埋葬
3月10日以後の空襲
残された人と町

資料
空襲地図―絵が描かれた場所
空襲体験画を見て

あとがき

【『あの日を忘れない - 描かれた東京大空襲』(柏書房) http://www.kashiwashobo.co.jp/new_web/find/pick/anohi.html より転載】

-- 関連新聞記事&関連uri --


毎日新聞 2005/03/16 語れなかった東京大空襲=磯崎由美(社会部) http://www.mainichi-msn.co.jp/column/kishanome/news/20050316ddm004070132000c.html



東京新聞 特集 記憶5-戦後60年-新聞記者が受け継ぐ戦争 http://www.tokyo-np.co.jp/kioku05/

東京大空襲・戦災資料センター HP http://www9.ocn.ne.jp/~sensai/
> 東京大空襲・戦災資料センター刊行物 http://www9.ocn.ne.jp/~sensai/publication.html
136-0076 東京都江東区北砂1丁目5-4 東京大空襲・戦災資料センター TEL:03-5857-5631 FAX:03-5683-3326



Why? 東京大空襲と下北沢 http://homepage3.nifty.com/kusyu/

*1:id:dempax:20050309 つづきとしては, 堀田善衛の1945年3月18日=ちくま文庫版『方丈記私記』pp.55=ほか書いておきたいことはいろいろあるのだが