東条英機 http://www007.upp.so-net.ne.jp/togo/human/to/hideki.html


愛国行進曲替え歌 http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/touyouhideki.htm


『恥を忍び法廷に戦う』東条英機 (「あの戦争(太平洋戦争全記録)」・経済新聞社編ヨリ) http://www.shigin.com/room/touzyou/touzyou.htm


高校生のための日本史講座 2000/12/02 http://homepage2.nifty.com/mazzn/224.htm

アジアの人民を列強の植民地支配から解放する「大東亜戦争」という美名とはうらはらに, 東条自身は日本による「侵略」だと認識していました. 東京裁判中の彼の手記は次のとおりです.

「日本が根本的に東亜の保全と日支の強力を求めていながら, 欧米と一緒になって支那に対して侵略的行動に出た矛盾. 列強に人種平等を要求している日本が, 支那から列強とともに不平等条約を享受していた矛盾. 」

1948(昭和23)年, 死刑判決後, 東条は教悔師の花山信勝に次のメモを渡します.

「俘虜虐待等の人道問題は, 何とも遺憾至極である. 古来からもっておる日本の博愛心, 陛下の御仁徳を, 軍隊その他に徹底せられなかったのは, 私一人の責任である. 」 [*1]

この中の「俘虜虐待」が南京事件を特定しているのかどうかは不明ですが, 花山に託した遺書の中でも, 「一部に残虐行為のあったことは真に遺憾である. 」と記しています.


遺書 http://windsban.hp.infoseek.co.jp/ISYO.HTM

【遺書全文】(○印は判読不能個所)[*2]

遺書    臣英機

一, 宏大無辺ナル

天恩ニ対シ伏シテ謝シ奉リ

皇室ノ御安泰ト国家ノ隆昌ナランコトヲ謹テ祈念シ奉ル


二, 大東亜戦争モ遂ニ今日ノ如キ不祥ノ結果ニ陥リ

上辱(宸)襟ヲ悩シ奉リ下一億忠誠ノ屍ヲ積ミ尚ホ戦争ノ目的ヲ達シ得ズ

光輝アル歴史ヲ汚スニ至リタル事眞ニ恐懼ニ堪ヘサル處ニシテ

開戦当時ノ責任者トシテ深ク其ノ責任ヲ痛感スル處ニシテ茲ニ自決シ其ノ責ヲ痛感スル處ナリ.

之レ亦幾多大戦ニ殉セル将士及其ノ遺族ニ報ユル途ナリト信ス


三, 御殊遇ヲ蒙リシ身ヲ以テ敵国ノ裁断ノ辱メヲ受ケルハ国威ヲ傷ケ皇恩ニ報ユル所以ニモアラスト信ス.

亦帝国国民ノ精神上ニモ悪影響ヲ及ホスモノナリ. 帝国ノ正シキ行為ハ将来ノ歴史ニ依リ決スルモノナリト信ズ.

勝者ノ裁判ニ依リ決スルモノニアラズト信ズ. 敵側引渡ノ要求ニ対シテハ他二自ラ途アルベシ


四, 大東亜戦争ハ戦破レタリト雖モ其ノ意義ハ萬世ニ照シ正シキヲ信スルモノニシテ

神州ノ精気奪フ能ワス. 皇室ノ巌トシテ輝キ在ス限リ

必スヤ民草ノ忠誠ノ下ニ萌○皇国興隆期アラン事ヲ信ズ.


五, 帝国ノ前途ハ今後眞ニ多難ナル○○此ノ間一億国民ノ努力ノ下眞ニ名実備ハレル國體護持ヲ確保シ以テ悠久ナル帝国ノ光栄ヲ至ラセンコトヲ願テ止マス

茲に遥カニ

皇居ヲ拝シ天寿ノ萬歳ヲ祈願シ奉ル處○七生報国以テ国運ノ隆昌ヲ守ル奉ランコトヲ期ス


  昭和二十年九月十日

 内閣総理大臣前官礼遇
 陸軍大将従二位勲一等功二級
                東条英機


追記

大東亜諸民族諸君ノ大東亜解放ノ為尽サレタル協力ニ対シ深ク感謝スルト

大東亜戦争モ遂ニ目的ヲ達シ得サリシヲ謝シ諸君ノ御多幸ヲ祈念シテ止マズ

1948/11/29 面会にて 東条英機

たまたま, ここの文庫にあつたのですが, 何べん読んでも有難いですね. ことに大無量寿経は偉いことですね. その中でも殊更に, 四十八願を読むと, 一々誠に有難い. 今の政治家の如きはこれを読んで, 政治の更正を計らねばならぬ. 人生の根本問題が説いてあるのですからね. 国連とか, その他世界平和とかは, 人間の欲望をなくした時に初めて達成できることで, 国家の成立ということも欲から成るし, 自国の存在とか, 自衛とかいうようなきれいな言葉でいうことも, みんな国の欲である. それが結局戦争になるのだ. これを取り去るために, 東洋では釈迦が, 西洋ではキリストが, この二大聖人が世に出て, 欲に巣食う人間を救わんとして, 何千年来やつて来たわけだが, それが実行されないで, 時と共に末世的状態となつて来たわけだから, 真先に政治家がこれを読んで深く考えなければならぬ. 自分も, 巣鴨に入つてから, 初めて発見したことで情けないことですね [以下,省略] [*3]

*1:花山信勝『平和の発見 - 巣鴨の生と死』1949/02/15 朝日新聞社 p.242

*2:1945/09/10版 出典: http://www1.jca.apc.org/aml/9812/10276.html 空白, 改行位置省略変更有り

*3:花山信勝『平和の発見 - 巣鴨の生と死』1949/02/15 朝日新聞社 p.257-258より抜書き