『朝日新聞』1997/02/06 2面 総合


自民党島村宜伸広報本部長(元文相)は5日,同党旧渡辺派の総会で歴史教科書問題などについて講演したのち記者団に対し,従軍慰安婦に関し「おおむね現地の女衒が一役買って,中国の人なり韓国の人なりが集めていた. 問題発言はしたくないが,本人の意思で,望んでそういう道を選んだ人たちがいる」と語った. 同席した旧渡辺派議長の中尾栄一前建設相も「食べるのに困っている人を女衒が組織的に集めたことがあるようだ」と述べた


この日の総会では島村氏が講師役となって教育問題をテーマに講演した. 教科書問題については「国民の自信や誇りを傷つける自虐的な教科書がある」などと述べたという. 島村氏は総会終了後,記者団に説明する中で自ら「ところで,みなさんはどうやって慰安婦を集めたとみるか」と切り出し,従軍慰安婦に関する考えを示した


島村氏は文相当時の1995年8月,歴史認識に関連して「侵略戦争じゃないかというのは考え方の問題. 侵略のやり合いが戦争ではないか」と述べ,韓国などの批判を受けて発言を撤回したことがある