海賊版:赤旗日曜版1978/09/17 『はだしのゲン』英語版に挑戦しよう

BAREFOOT GEN

『BAREFOOT GEN』という漫画の本が、いま静かなブームをよんでいる


君たちも読んだことがあるだろうし、映画にもなったので知っていると思う 中沢啓治さんが原爆の恐ろしさを告発した名作「はだしのゲン」の英訳本だ


作ったのは「はだしのゲンを世界の子供たちへ伝える市民の会」(略称=プロジェクト・ゲン)のお兄さんたち 「会」代表の大嶋賢洋さんが何度かアメリカ旅行をして 原爆の恐ろしさを話したんだけど分かって貰えなかったので「それなら漫画の本で」と「はだしのゲン」を英訳することを思いついた


これが大評判、5000部印刷したのだけど、あっという間に4000部が売れてしまった アメリカやヨーロッパそして日本のヤングたちがむさぼるように読んでいる


ヨーロッパの青年からは「日本で戦争中に戦争に反対した人がいたのをはじめて知った」とゲンの父親の生き方への共感の手紙が寄せられた 日本のある中学生は「クラス全員で集めたお金をカンパします出版に役立てて下さい」と数千円を送った


英語の先生も「これは英語の教材としてもユニークだ」と買い求めたり


「会」では目下、第2卷を出版するための準備中 今年中には出版の見通しだという


「日本語版を読んだ人・映画を見た人ならぜひ英語版も読んでみたら? 読んだ君自身が感動したのなら周りの友だち・世界のヤングに読ませてあげようではないか」「会」のお兄さんから君たちへのメッセージだ 読書の秋、漫画の本を英語で読むのも またいいものだよ (連絡先…省略…)


【出典】『赤旗日曜版』1978/09/17(13面)