梨花女子大の声明

1973/10/28



□ われわれ国民大衆の生存権すら脅かすこの暗く残酷な現実にこれ以上耐えられず、心を一つにして再び勇敢に立ち上がった。現政権は72年10月17日の戒厳令公布以来、独裁の永久化を企てている。十月維新の名目で現政権は、国民の良心と日常生活を最大限に萎縮させ、友好国の信頼と親善関係を極度に失墜させた



□ 韓国的民主主義と呼ばれる制度は民主主義を抹殺するものとして、満天下に馬脚を現した。泥棒村と超豪華アパートが至る所に乱立し、無数のバラック小屋が至る所に散らばっている



軍国主義の声が高まっている日本への依存を深めることにより、わが国経済は日本経済に従属させられてしまった。日本資本の伸長は民族経済を抹殺するばかりか、日本の政治的干渉と軍事介入を招くだろう



□ 祖国が再び日本の植民地になってはならない。55億万ドルという天文学的な負債の結果、観光政策という美名の下に数多くの女性たちが、エコノミックアニマルたちの玩具として売られることになった。軍靴の代わりに下駄の音が高まっている。日本人たちはこの地に再びわれわれの上役として君臨してきており、5千万人の熱望である民族の平和的自主統一への道はますます遠くなっている



□ 全国民は情報政治の鞭の下で話もせず、見もせず、ただ労働だけを強要されている



□ 真理、自由の殿堂である学園は警察、情報部の暴力の下で無惨に蹂躙され、査察によって正義と良心を叫んだ学友たちは殴打、拘禁、拷問、強制入隊など無慈悲な暴力の横暴さにもだえている。このような時期に津々浦々の民主的学友たちは自由と正義と良心のたいまつの火を掲げ、死を覚悟して民主守護闘争と救国の隊列に加わっている



金大中事件はその真相を国民に明らかにされないまま、日本政府との屈辱的妥協によって再び韓日併合と同じ恥辱の章を残してしまった



□ 自由を得るため、われわれも戦いの隊列に加わろう。舌先の言葉ではなく、行動で隣人を愛そう。8千の梨花大学の学友たちよ、全大学人たちよ、自由と正義が支配する美しい祖国をつくるため、ともに歩もう



1973年10月28日




【出典】朝鮮人強制連行真相調査団編『朝鮮人強制連行/強制労働の記録/北海道・千島・樺太篇』現代史出版会,1974/10/25 p.642