第11回党大会 1970/7/1 - 7/7

【出典】『前衛』No.312 1970/8月臨時増刊号 第11回党大会(1) 報告・決議・規約改正


【p.230】

犠牲者守る闘争重視


日本国民救援会会長 難波英雄


私は日本国民救援会を代表して,ひとことあいさつさせていただきます


日本共産党第11回党大会の成功,ほんとうにおめでとうございます. 全国30万の党員に心からのお祝いと連帯の握手を送ります


議長,代議員のみなさま,中央委員のみなさま,とくに本部員として,この大会を準備し,この大会を守り,今日の大成功をみるまで不眠不休の奮闘をされた方々の御苦労に心からの敬意を表し,ともに成功をお喜び申します


昨年11月14日,みなさまの全面的要望が実現して,ここにおられる村上国治さんが,北海道網走の刑務所を仮出獄されて,いまは弾圧犠牲者の在獄者はひとりもありません. 1945年10月10日,日本ファシズムの敗戦によって「政治犯」全員が釈放されたとき以来はじめてのことであります


しかし,村上さんは,仮出獄であります. 20年の懲役という不当な判決はそのままであります. 再審の請求は却下され,異議申立中であります. この再審をどうしてもやらせ,裁判をやり直させて,村上さんの無罪をかちとるたたかいは,これからも大々的にもりあげなければなりません. みなさまのよりいっそうの御援助を心から御願いするものであります


ただいま救援会でたたかっている弾圧事件のおもなものは,白鳥事件のほか,メーデー事件と大須事件にたいする一審の騒乱罪適用にたいする控訴審のたたかい,菅生事件や青梅事件に類するでっち上げ事件=長野県の辰野事件の控訴審のたたかいであります. メーデー,大須事件,大阪の吹田事件で騒乱罪の適用を粉砕した実績があり,辰野事件も警察の謀略と証拠の偽造が明らかになっており,勝利の確信に満ちてたたかっています. みなさまの絶大な御支持,御支援を御願い致します


冤罪事件では,山口県仁保の岡部保さんと埼玉県狭山の石川一雄青年の上告審と控訴審のたたかい,帝銀,牟礼,島田,松山,免田事件などの再審事件があります


私たちは60年代において,松川事件,芦別事件,菅生事件,青梅事件,吹田事件,鹿地事件などで支配階級の謀略を粉砕した輝かしい経験を持っています. この経験を生かし,全国民の良心と正義心に訴えて,弾圧事件,冤罪事件に確信をもってたたかっています. しかし,70年代にはいった今日,この大会で明らかにされた通りの国際,国内情勢の下にあって,ただ過去の経験だけにたよっているわけにはいきません. 現に石田最高裁長官の二度におよぶ発言は,裁判の反動化,裁判官の独立の放棄という重大問題をあらわしています. 愛知県のびら貼り有罪の判決は,最高裁大法廷16名の判事中,ひとりの異議,少数意見もなしにおろされました. この判決,判例が警察,検察によって,いかに悪用されるかは,想像に余りあるものがあります. 私たちは日本共産党の指導と協力によって,あくまで弾圧とたたかい,その犠牲者を守るたたかいをすすめます. 宜しく御願いします


日本共産党第11回大会の成功万歳