平和行進第8日

朝7時過ぎ横浜市役所を出発したわれわれは途中鶴見区役所で区民の大歓迎を受け小休止の後再び歩みを京浜国道に向けた 午前9時ごろ2000人を越す川崎市民の出迎える中を川崎市役所に到着した


ここで川崎市出来町の子供会「木の葉グループ」が地区のドッジボール大会に優勝して方々から貰つたごほうびのお金を「平和行進の叔父さんたちに何か差し上げて下さい」と言つて川崎原水協へ届けそのお金で買つたという「シロップ」を飲んだ 更にはこの子供たちのお母さん方の集まりである「頬寄せグループ」が「子供達に負けられない」と金色の紙で折つた千羽鶴のレイを13組 西本さん他の代表に渡した時の光景は川崎における自転車隊との合流とともに本日の圧巻であつた


11時少し過ぎいよいよ神奈川県における最後の「平和行進」を開始した


やがて六郷の大きな鉄橋が見えてきた 沿道の観衆は警官が整理しかねる程に増えてくる 6,7000人はいようか その中をただわあわあと歩いている内についに河原に降りたつた


神奈川の行進参加者を整理しようと思つてもまわりに人間が多過ぎて駄目 近くの宣伝カーのマイクで呼んでもらつたが全然集まらない そうこうする内に東京側は西本さんら18名他を中に日比谷をめざす行進を始めたのでわれわれもそれぞれ組織毎に帰路についた


西本さんがいつた言葉を記してこの駄文を終ろう


「平和行進は東京へ着いてもそれで終つたのではない 運動は1日も休まず続けられなければならない 被爆者は1日も安じていることは出来ないのだから」