朝日新聞【1954/11/27(8面)千葉版「灯台」】 英霊碑建立に一言


流山町TF生


地元民の声も聞かず, 反対を押しきって建碑に狂奔している委員会に一言する


予算の説明も出来ない出鱈目な答弁で終った地区民大会のあと, 次の大会を委員会主催で開き, 明確な態度を示してくれるものと待っていたが, 大会を開催する意思もなく, また青年側との話合いも拒否したという


このような一方的な非民主的な態度は, 民主主義社会において断じて容認できません


委員会の幹部は町会議員・民生委員・人権擁護委員という顔ぶれで, このような社会的地位にある方たちの取るべき行動でしょうか. また表面では遺族には寄付をいただかないといっていながら, 苦しい生活をも省りみず, 半強制的に寄付を募っております


こういう行為には判断に苦しみます


お金を集めることにばかり狂奔して, 目的の戦死者への慰め, 遺族や町民の喜びから離れて, 発起人の名誉心のために建てられる碑と化してしまうでしょう


話し合いもせず地区民の批判も仰がず, 最近はめくら予算の英霊碑なるものを建てる準備をしています


一地区民として叫びます. 恨みの碑と化す建物の建設は止めて下さい. 早く大会を開き, 地区民総意による明るい意義のある行動をとらんことを切望します