核戦争を防止する石川医師の会


反核医師の会 核戦争に反対する医師の会 http://no-nukes.doc-net.or.jp/


【出典】核戦争を防止する石川医師の会 http://ippnw-ishikawa.jp/ → 声明文・抗議文 http://ippnw-ishikawa.jp/category/statements/


核戦争を防止する石川医師の会会報 No.83 2013/12/06 http://no-nukes.doc-net.or.jp/news/isikawa83.pdf



2013年8月21日


松江市教育委員会
委員長 内藤富夫殿



核戦争を防止する石川医師の会


代表世話人 白□良明


漫画『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を求めます

私たちは、生命と健康を守る医師の責任として、核兵器のない世界を実現し、未来の子どもたちに平和で豊かな地球を引き継ぐために、市民のみなさまと共に活動している医師・歯科医師の団体です


核兵器の持つ残虐性・非人道性。広島・長崎の被ばく体験をもつ日本人は、誰よりもそれを知っているはずです。再び同じ過ちを繰り返さぬために、私たちに一体何ができるのでしょう。それは決して過去を覆い隠すことではありません。過去の現実をできるだけ正確に後世に伝える。それこそが私たちにできる唯一の方法です


核兵器のもたらす悲劇を後世に伝える。伝えなければならない。この痛みを風化させてはならない。被爆者が高齢化し、語り部が少なくなっている現在、漫画『はだしのゲン』は、人類史上最大の悲劇を未来へ継承するための、得難い手段なのです。それどころか、その作品は今や人類共通の財産として、世界中から高く評価されています


私たち医師の会は、2011 年より、核戦争による被害や被ばくの実相を子ども達に伝える参考図書として、『はだしのゲン』を石川県内の小中学校に寄贈する運動に取り組んでいます


(現在までに石川県内小中学校 39校に寄贈 本年9月にはさらに20校に寄贈予定)


各市町の教育委員会を通じて実施した小中学校に対する寄贈希望調査では、所蔵していない学校はもちろんのこと、所蔵している学校からも寄贈希望が多く寄せられました。これは、子ども達に好んで読まれるために破損や欠巻が多いからです。このように『はだしのゲン』は、学校図書室を通じて、子どもから子どもへと世代を超えて読み継がれてきました


もし、「ゲン」という存在が無ければ、私たちは何をもって戦争・核兵器の悲惨さを子ども達に伝えればよいのでしょう。暴力、差別、いじめ。そうした現実を子ども達に何とか伝えたい。それ故、原作者の中沢啓治さんは敢えて漫画として、「ゲン」を世に送ったのです


彼らから、学ぶ機会を奪わないでください。『はだしのゲン』を読むか、読まないか。そこから、何を学ぶか。あるいは学ばないか。それらはすべて子ども達自身にこそ委ねられるべきものです


私たちは『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を強く求めます


<事務所> 核戦争を防止する石川医師の会 http://ippnw-ishikawa.jp/