犬山市の場合 2/End


次に、要旨3、自衛隊協力会事業への教育委員会共催についてです


ことし7月15日に、犬山自衛隊協力会創立50周年記念事業のふれあいコンサートに、教育委員会が共催というポスターやチラシが配布されました。会場は犬山市民文化会館です。内容は、自衛隊の音楽隊の演奏、そして歌手の方の歌など、文化的な事業ということですけれども、そもそも私たち日本共産党自衛隊に対する認識とは、憲法9条に違反しているというものです。憲法では、二度と戦争をしない、武力は持たないということを明確に示しております。自衛隊は多くの武器を持っておりますし、この犬山上空でも戦闘機がよく訓練飛行をしていることは、皆さんもよく承知していることだと思います。自衛隊の音楽隊やラッパ隊の演奏は、単に文化的事業ではなく、まさに自衛隊のイメージアップを図るものということが言えます。ある市民の方たちからは、「こういうのを教育委員会が共催していいの」、こういう疑問の声を聞いております


次に、資料2をごらんください。平成25年度犬山市民文化会館共催事業募集要領です。ここに共催事業についての手続などが書いてあります。特に見ていただきたいのは、表面の下のほうです。選定第6のところです。「委員会は、申請された事業について、事業内容、運営方法などを審査し、共催により実施する事業の承諾の可否を決定する。」とあります。つまり、教育委員会の共催事業は、教育委員会で審議して決定するということが書かれているんです


そこで質問いたします。まず、この事業が教育委員会共催に至った経緯と見解についてお尋ねいたします


◎議長(堀江正栄君) 答弁を求めます。


武内教育部長


〔教育部長 武内君登壇〕


◎教育部長(武内昭達君) ご質問にお答えをします


芸術・文化の向上と発展を図り、合わせて市民文化会館の利用促進を図るために、市民団体等が市民文化会館を会場にして、市民を対象に新規に行う芸術性、創造性にすぐれた事業を、平成23年度から教育委員会の共催事業として開催をしております


具体的には、事業の入場料金を無料に設定することを必要条件として芸術性が高く、質のよい、すぐれた舞台芸術公演、地域の文化団体等が実施します舞台公演、地域住民対象のワークショップ等を、市民文化会館を開催場所として募集するものでございます


共催の特典としましては、公演当日における市民文化会館使用料の一部を教育委員会で負


担するものでございます。費用負担は、同一団体に対して、後先にも一度限りとする旨、募集要領で取り決めております


共催事業につきましては、平成23年度に3件、平成24年度に1件を開催しており、このうち3件で満席を記録しています。このため、平成25年度も市広報に掲載して募集しましたところ、犬山市自衛隊協力会から創立50周年記念事業として、ふれあいコンサートの申請がありました。事業内容としましては、陸上自衛隊第10音楽隊による親しみやすい楽曲の演奏のほか、フラダンスグループによるバンド演奏とダンス、当市出身のバリトン歌手、岡部敬太郎氏による歌唱があり、内容を審査した結果、広く市民対象に行う芸術性、創造性にすぐれた事業として認められたため、事務手続を経て共催事業としての開催を決定しております。今回の共催につきましては、広く市民対象に行う芸術性、創造性にすぐれた事業として、その内容面から共催事業として行ったものでございます。当市出身のバリトン歌手を応援し、有能な人材の発掘はもとより、広く人物像や歌唱力などを周知することにもつながったこと、公演当日は、先ほども申し上げましたように、満席となったことで、市民文化会館の利用促進、利用率の向上も図られたことなどの点から、共催事業としては成功をおさめたものと考えております


◎議長(堀江正栄君) 岡村議員


◎1番(岡村千里君)


今の答弁では、共催に至った経緯は、内容を審査した結果というんですけれども、どこで、誰が審査したかがはっきりしていません。それから、見解については、普通の文化事業としてとらえているということですが、これは自衛隊協力会の主催の事業なんですよ。そういう認識が全くされていない、そういうふうに受け取りました


次に、3点、再質問させていただきます


この件につきましては、共催ということにもかかわらず、教育委員会に諮っていないということがわかっております。なぜ教育委員会に諮らなかったのでしょうか。これが1点目


今回のことについて、新日本婦人の会犬山支部、子どもを守り教育を考える会、尾北教職員労働組合が申し入れを7月に行いました。主な内容は、自衛隊協力会主催の事業を定例教育委員会で審議されていないのは問題だ。この共催を取り下げること、そして、7月定例の教育委員会で、その経緯や見解を文書で説明することなどです。この申し入れについての見解はどうなのかが2点目


3点目は、今後の対応として、こうした事務局サイドで決めるのではなくて、きちんと教育委員会で審議していくように改善する意思があるのかどうか、お尋ねいたします


◎議長(堀江正栄君) 答弁を求めます


武内教育部長


〔教育部長 武内君登壇〕

◎教育部長(武内昭達君)


再質問にお答えをします


まず、1点目の教育委員会に諮らなかった点ですが、教育委員会の事業は大別しますと、自主事業、共催事業、後援事業とに分けられます。これらはいずれも犬山市教育委員会教育長委任事務規則第1条の規定に基づきまして、事業としては教育長に委任する案件となっております。したがいまして、過去に開催した分も含めまして、共催事業の開催につきましては、定例教育委員会に諮っておりません。しかしながら、平成23年度に新規事業として共催事業の募集を始める際には、定例教育委員会に、その趣旨や目的、募集要領の内容等を諮り、審議されております


2点目の申し入れに対する見解ですが、今回の共催事業の内容につきましては、開催の経緯、入場者数等の事業結果も含めまして、7月22日に定例教育委員会の場で報告しております


続きまして、3点目の今後の対応についてですが、1点目でお答えをしましたとおり、教育長に委任する事項となっておりますので、今後についても同様の取り扱いをしていく予定でございます


◎議長(堀江正栄君) 岡村議員


◎1番(岡村千里君)


今の答弁で、教育委員会に諮らなかったのは、その必要がないというのですけれども、本当にそうでしょうか。自衛隊については、さまざまな意見がありますので、百歩譲っても、資料2に、このような要領があるわけです。これにのっとっていないという点では、ルール違反であるということを強く主張いたします。何のためにこの要領があるのかということにもなりますよ


では、再々質問を教育長にさせていただきます


教育委員会に諮らなくても、これは教育長の委任の案件だということです。教育長の責任はとても重いというふうに認識しておりますが、今回の問題に対する責任をどう考えてみえるのか。また、教育長として憲法にのっとり、民主主義に基づいた教育行政を貫くお考えがあるのかどうか、お尋ねします


◎議長(堀江正栄君) 答弁を求めます


奥村教育長


〔教育長 奥村君登壇〕

◎教育長(奥村英俊君)

再々質問にお答えをいたします


先ほど教育部長がお答えしましたように、この事業は平成25年度の要領に沿って申請があり、実施をいたしました。そして、事業報告、調査においても、不備事項は認められなかったということであります


補足をして少し説明をさせていただきますと、このコンサートにつきましては、先ほど来話題になっておりますけれども、金管楽器木管楽器吹奏楽としての表現の美しさ、それから演奏技術の高さ、そして和楽器の醸し出す重量感のある演奏、市民による親しみやすいハワイアン演奏、地元の歌手、岡部氏と市民による3.11復興を強く願う歌声、ふるさとを思う歌声であります。これらは繰り返しで恐縮ですけれども、文化・芸術的レベルが高く、また、犬山市出身の歌手が歌う、市民を対象にして行う芸術性・創造性にすぐれた事業であり、入場者数、内容、入場者の感想なども良好なものでありました


音楽に国境はないと言われております。また、音楽は音を通してのコミュニケーション、会話とも言われております。どんな事業であっても、さまざまな捉え方があるわけでありますから、誠実に対応していくことに変わりなく、今後も当然のこととして責任を持って民主主義に基づいた教育行政を貫くことは、これまでにも増して終始一貫していくものであると考えております。平和の世の中であり続けることについて、教育者の立場から尽力をしていきたいと思っております


◎議長(堀江正栄君)


岡村議員


◎1番(岡村千里君)


自衛隊につきましては、さまざまな議論があり、自衛隊協力会主催の今回のコンサートは、行政としても慎重に対応することが求められております。共催事業要領に従って定例の教育委員会で、自衛隊協力会主催のコンサートは、教育委員会共催にふさわしいのかどうか、当然、審議されるべきではなかったでしょうか。こういうことを教育委員会で審議しないで、何を審議するというのか。教育委員会が形骸化していくということにつながるのではないかということを懸念しております


今後の対応も改善する気はないということですけれども、これはまた問題です。いずれにしましても、平和を大切にし、民主主義に基づいた教育行政を進めてほしいという思いを強く主張いたします


次に、要旨4、「はだしのゲン」の配備についてです


資料3をごらんください。これは新聞赤旗の記事ですけれども、広島の原爆被害を描いた漫画「はだしのゲン」は、この夏、非常に話題になりました。松江市教育委員会が「はだしのゲン」の表現が過激な部分があるとし、児童・生徒に見せないよう閲覧制限をかけたのですが、その後、県内外から批判が相次ぎ、教育委員会で議論となり、制限は撤回をされました。私もこの本は、子どものころに家にありましたので、読みました。原爆の被害は想像を超えて、人間の体がこんなにぼろぼろになってしまうのかとか、戦争は本当に嫌だとか思ったものでした。子どもは子どもなりに受けとめるので、このような閲覧制限をかけるなど、あってはならないと考えております


そこで、3点、質問いたします


はだしのゲン」は、ある小・中学校に配備され、よく読まれていることは承知しておりますが、市内の小・中学校への配備の状況はどうか、「はだしのゲン」について当市はどのように考えるのか、市の図書館にも配備されているのか、お尋ねします


◎議長(堀江正栄君) 答弁を求めます


武内教育部長


〔教育部長 武内君登壇〕


◎教育部長(武内昭達君)


ご質問にお答えをします


初めに、「はだしのゲン」の市内小・中学校への配備状況についてですが、小学校では犬山北小学校と犬山南小学校を除きまして8校に、中学校では犬山中学校を除いた3校に配備されております。この「はだしのゲン」につきましては、現在、一般図書として開架されており、他の図書と変わりなく自由に閲覧や貸し出しをすることができます。今後も今までどおりの利用方法で問題ないというふうに考えております


次に、犬山市立図書館につきましては、コミック版のほか、英語訳のついた絵本が、児童

図書開架コーナーに