深川市の場合


2013年 第3回定例会 平成25年 第3回定例会(第3号)



2013年 第3回定例会(第3号)


2013年9月5日(木曜日) 午前 10時0分 開議
午後 12時10分 散会


議事日程


日程第1


一般質問


順位7. 議員番号15番 田中昌幸君


質問1 教育委員会制度のあり方について〔教育〕


質問2 統合による学校跡地について〔教育〕


質問3 街路灯、防犯灯のLED化について〔市勢振興〕


質問4 住宅リフォーム、店舗リフォーム助成制度について〔建設・商工〕


質問5 組織機構、職員採用について〔一般〕


順位8. 議員番号12番 東出治通君


質問1 都市農村交流センターについて〔農業〕


質問2 地上デジタル放送難視地区の状況について〔一般〕


質問3 子宮頸がん予防ワクチンについて〔福祉〕


質問4 不妊治療費助成について〔福祉〕


質問5 適齢期妊娠奨励事業について〔福祉〕


午前10時00分 開 議)


〇議長(長野勉君)


これより本日の会議を開きます。


〇議長(長野勉君)


事務局長から諸般の報告を申し上げます。



〇議会事務局長(伊藤政雄君)


第3回定例会3日目の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。


以上で報告を終わります。



〇議長(長野 勉君)


日程第1 一般質問を行います。


初めに、田中昌幸議員。


〔田中昌幸議員、質問席へ〕


〇15番(田中昌幸君)


松江市立小中学校の図書室で、漫画「はだしのゲン」の閲覧制限が、教育委員会議の決定により撤回されることになりました。


はだしのゲン」は、漫画家・中沢啓治さんが、広島の爆心地付近で被爆し、父や姉、弟、妹を亡くした体験をもとに描いた自伝的作品で、1973年に少年ジャンプに連載を始めたもので、単行本は650万部を超すベストセラーであり、世界約20カ国語に翻訳されているということであります。


今回の騒動の経過は、昨年12月、松江市教育委員会が、作品中の暴力描写が過激などとして、閉架図書にするように市立小中学校の校長会で要請したが、対応にばらつきがあったため、市教育委員会は1月の校長会で閉架を徹底するよう再び要請していたということです。要請は、市教育委員会の事務局レベルの判断で決められたものであり、教育委員会議に報告されていなかったというものです。「はだしのゲン」は、漫画を通じて戦争や原爆の悲惨さ、怖さを多くの人に伝える貴重な作品で、閲覧制限をかけるどころか、多くの方々、特に子供たちに読んでもらいたい、私もそう考えるものでございます。


憲法第21条による表現の自由とともに、私たちにはそれらを利活用できる自由が憲法で保障されています。もし、それらの自由を制限することがあったとしても、相当に特殊な事例にごくごく限られるべきものであります。


一方、文部科学大臣が今回の閲覧制限に理解を示していたことに、安倍政権の危うさをかいま見る思いでございます。


過激な教育論、勇ましい発言をする為政者たちが、現行日本国憲法を否定し、教育委員会を否定し、教育を我が物に、教育を政治家の思いのままにしようとする動きが一部ございます。その方たちが唱える教育委員会不要論の中には、実際に教育委員の方たちが、本来の業務、例えば月1回の教育委員会議が開かれていない。開かれていたとしても、その会議の中で発言がない。いわゆるしゃんしゃん会議というような実態もあることが、要因の一つとも言われておりますが、そのことによってこの教育委員会制度そのものを不要と論ずることは、恐ろしさすら感じるものでございます。


これより、通告に従い一般質問を行います。


今までも申し上げました状況もありますが、深川市教育委員会は、毎月定例の教育委員会議はもちろん、案件によっては臨時会を開くなどの丁寧な議論を重ねられてきており、その独立性とともに、教育委員会不要論は全く的外れのことと考えます。私もこの間、福井郁郎氏、松井靖氏、上垣由紀子氏の3人の教育委員長と、この場からおつき合いをさせていただきましたが、お3方とも日本国憲法を尊重し、法令を遵守し、平和を守り、一方に偏ることなく、温厚な中にも持論を主張され、常に子供たちの健やかな成長を見守り、広い見地から助言されてきたと考えます。


教育委員長という組織のトップとしての重責を果たすには大変なご労苦とプレッシャーがあるものと推察いたしますし、来年4月の中学校の統廃合実施、再来年には学校給食の一部事務組合からの供給開始など、大きな転換の時期に就任されることに心から敬意を表しつつ、そのご就任に当たって、深川市教育委員会を代表する立場となった宮田教育委員長の決意について、この際、お伺いさせていただきたいと思います。


また、教育委員会制度はすぐれた制度でありまして、今後とも現行の形で維持すべきと考えておりますが、市の教育委員会としての教育委員会制度に対する考え方についてお伺いいたします。


松江市では、教育委員会に諮るべき案件を事務局が独断で判断し、あのような事態を招きましたが、日ごろの連携やそれぞれの権限への理解が欠落していたか、あるいは日常から事務局で判断し、学校長に指示されていたとすれば、制度の根幹にかかわる問題であります。


ここで3点目、教育委員会と事務局との関係に対する考えについてお伺いいたします。



〇議長(長野 勉君)


答弁願います。


宮田教育委員長。



教育委員会委員長(宮田嘉明君)


このたび教育委員長に就任いたしました宮田でございます。まだまだわからないことが多々ございまして、議員の皆様、そしてまた市長を初めとする職員の皆様にご指導をいただきながら、何とか教育行政推進について努めたいと思ってございますので、よろしくお願い申し上げます。


また、今ほど田中昌幸議員のほうから、教育委員長としての決意等についてご質問いただきました。日ごろ私なりに考えている教育委員会のあり方、あるいは教育の推進などについて申し述べたいと思います。


私は、昭和29年、音江の地で生まれました。当年59歳になりました。25歳のときに父親から経営を引き継ぎまして、以来34年間、農業経営者として歩んでまいりました。


平成18年に教育委員の就任のお話をいただきまして、少しでも故郷深川の教育に役立てるのならとお引き受けをし、現在に至ってございます。今年度8月、前・上垣委員長の退任を受けまして、大変微力ではございますが、委員長の職を引き受けることになりました。


私は、もともと教育関係者でも、その経験者でもございません。そんな私がこういった大役を務められるのかと思案もいたしました。


しかし、現在求められている学校教育のあり方、学校、家庭、そして地域が一体となって子供たちを守り育てていくということを、地域住民の一人として、担い支えていきたいと考えました。


さて、現在、教育現場では、さまざまな解決しなければならない課題が山積しております。いじめ問題に始まり、学力の地域間格差学力低下、さらには不登校の問題、また新たに問題視されている、寝る間を惜しんで興じるゲームや、片時も離さず友人との関係を保ち続けるようとするスマートフォンなど、多くの課題を抱えてございます。そんな多様な課題がある中、丁寧に糸口を探りながら、改善に向けて努力していかなければならないと考えております。


今まで教育委員会では、いろいろな機会を通じ、学校現場の意見を少しでも聞く努力をしてまいりました。例年行っている小中学校への訪問事業、夏休み、冬休みを活用してのチャレンジ深川事業、ことしの夏休みには、20人の講師、ボランティアの協力をいただきまして、計5日にわたり、456名の児童の参加をいただき、復習を中心に勉強会を行ったところでございます。


私は、子供たちの基礎的学力の向上は、良質な教育指導とその継続にあると考えています。また、さらには、児童生徒の個性、能力を見きわめ、最大限発揮するような教育も必要と考えています。現在、市内1,360人余りの子供たちの能力とその可能性を、とめることなく開花させられるような学校教育でありたいと願うところでございます。


さらに、教育委員会は、学校教育だけではございません。社会教育、図書館、文化振興を担う生涯学習課、スポーツ全般を担うスポーツ振興室、そして、子供たちの安全安心な給食と大切な食育を担う給食センターなど多岐にわたってございます。


今後はそれらの部署がバランスよく向上していくことが、深川市の教育全体のさらなる振興・発展につながると考えております。


現場をしっかり見据え、きめの細やかな教育行政を実現すべく努力する所存でありますので、議員各位のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。


以上、就任に当たりまして決意の一端を申し上げ、答弁といたします。


〇議長(長野 勉君)


答弁願います。


沢田教育長。



〇教育長(沢田敏幸君)


教育委員会制度のあり方についての2点目、教育委員会制度に対する考え方についてと、3点目の教育委員会と事務局との関係に対する考え方について、私からお答えいたします。


現行の教育委員会制度は、戦後、教育自治の精神のもと創設され、長い歴史を持っているところであります。


教育委員会制度について、本年4月25日、文部科学大臣から中央教育審議会に対し、今後の地方教育行政のあり方について諮問がなされました。具体的には、第1に、教育委員会制度のあり方として、首長と教育長の関係、教育委員会が果たすべき役割や教育委員の任命の方法など、具体的な制度設計についての検討を行うこと。第2に、教育行政における国、都道府県、市町村の役割分担とそれぞれの関係のあり方について検討を行うこと。さらに第3として、学校と教育行政、保護者・地域住民との関係のあり方について検討を行うこととされております。


現在、中央教育審議会教育制度分科会で検討が進められており、その推移を注意深く見守っているところでありますが、ある大学の調査によれば、現在の教育委員会の改革の必要性は認めるものの、教育委員会の廃止といったことには慎重である市町村長が多いとの調査結果もあります。


現在、教育委員会制度の見直し、あるいは改革がどのような形で決着するかについて、今後、十分注意して、その推移を見ていく必要があるものと受けとめております。


その場合、基本となるのは、未来を担う子供たちによりよい教育環境を整えるなど、地域全体が教育行政に深くかかわっていくことの重要性は普遍でありますので、そうした地域住民の意向を反映する役割を果たす教育委員会として継続されることが望ましいものと考えております。


次に、教育委員会教育委員会事務局についての考え方でありますが、教育委員会は、規則によって定められている教育長に委任する事務以外の教育行政の重要な事項や基本方針などを決定し、それに基づいて教育長が具体的な事務を執行することになります。


したがいまして、制度としては、事務局は教育委員会の権限に属する事務を処理するために設置されたものであり、教育委員会と事務局はそれぞれ独立した機関ということではなく、教育委員会の決定の趣旨を、事務局としてより明確にして、具体的な取り組みとして実施していくものであります。


深川市教育委員会におきましては、これまでも日ごろから各教育委員への情報提供、情報交換に努めてきたところでありますが、今後におきましても新しい教育委員長を中心に、教育委員会と事務局が一層連携を深める中で、地域の教育行政の振興を図るという教育委員会の役割を果たしていきたいと考えているところであります。


〇議長(長野 勉君)

田中昌幸議員。


〇15番(田中昌幸君)

宮田教育委員長、ありがとうございました。


以下省略