共同通信 2018年5月20日 17:47 放射線監視装置の不具合4000回 福島の3000台 13年度から

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放射線監視装置の不具合4000回 福島の3000台、13年度から


 (写真)公園内に設置されたモニタリングポスト=10日、福島市


 東京電力福島第1原発事故の後、福島県に設置された約3000台の放射線監視装置(モニタリングポスト)について、全面運用を始めた2013年度から5年間で、破損や故障などの不具合が計4000回近くに上ることが20日、関係者への取材で分かった。


 モニタリングポストを管理する原子力規制委員会は、一部地域で放射線量が下がり安定していることを理由に、20年度末までに約8割を撤去する方針。しかし、相次ぐ不具合で管理費がかさむ上、東日本大震災の復興予算が20年度末までになくなる可能性があり、体制維持が困難になることも背景にありそうだ。


 住民からは「安全や健康を軽視している」との不満の声が出ている。


 規制委によると、約3000台のモニタリングポストは、リアルタイムで空間放射線量を測定する仕組みで、子どもが集まる幼稚園や小学校を中心に配備された。ただ運用が始まった13年度以降、実際の放射線量とは異なる高い数値を表示していたり、データ送信ができなかったりする不具合が計3955回起きたという。その度にメーカーや警備会社が対応した。


 モニタリングポストの運用費は、国の「東日本大震災復興特別会計」で年間約5億円計上されている。通常の点検やシステム管理のほか、不具合に伴う多額の修繕費に充てられる。だが、特別会計は20年度末までに廃止となる予定で、予算が確保されている期間内に撤去したいとの思惑もあるとみられる。


 規制委は今年3月、浪江町富岡町など第1原発近隣の12市町村を除いた地域の約2400台を撤去する方針を決定。撤去したモニタリングポストの中で今後も活用できる装置は、12市町村で再利用するとしているが、モニタリングポスト自体の寿命は既に迎えつつあるため、実際に再利用できるかは疑問が残る


福島の放射線測定継続を要請 市民団体が規制委に http://kyodo.newsmart.jp/mobile/2018/04/post-517083.php