IV-2章 哀話・追憶・苦心談


(IV-2-1節) 哀々切々録


1.哀話の數々(木原優) 2.愛児を抱へて母壓死す(千倉町役場) 3.今來たようの一語が全町を震駭(館山町役場) 4.下敷きになつても兒を庇ふ(富浦村役場) 5.脛部は肉が捲れて骨が白く(富浦村役場) 6.身死して孝道は永久に(富浦村役場) 7.母の愛(千種村役場) 8.乳呑子を負ふた婦人(五井町役場) 9.思ひ出二つ(福多てる) 10.めりめりどしん(古宮勝次郎) 11.石鳥居の下敷きに(岩澤雄吉) 12.父の言葉に頭が下つた(佐久間廣) 13.長男を求めて屋内に入る親(宮崎源太郎) 14.馬の鶴さん(河田美津子) 15.一日も早く眞の親の手に(森享) 16.兒童も着の身着のまま(石川三郎) 17.墜道の中へ生埋め(金谷小學校) 18.19名を掘出す(那古小學校) 19.命の恩人(金谷村役場) 20.気息奄々の婦人(成田町役場) 21.跪き[*1]倒れて其のまま(小見川町役場) 22.その時の牛乳の味(斎藤進) 23.瞬く間に姉妹は幽明所を異にした(富津小學校) 24.悲喜劇(富津小學校訓導) 25.恐ろしかつた思出(多田一男) 26.涙の實話(多田仙太郎) 27.公共の仕事に従事しつつ瞑目(富津小學校Y生) 28.路上を行列(東海村役場) 29.梁の下敷きに(貞元村役場) 30.地震は恐い(五郷村役場) 31.子を忘れて公務に(東海村役場) 32.千倉町の激震(吉田鐵五郎)


(IV-2-2節) 追憶竝苦心談


a. 追憶 → http://d.hatena.ne.jp/dempax/20170925


1.天は大任を僕に下した(大橋高四郎) 2.安房郡■衛當局の追憶の會(吉井榮造他19名) 3.郡■の下敷となつた思出(中川良助) 4.裸體のまま(竹内伊之吉 5.母は家の下敷に(牧野米吉) 6.校舎が倒れた(小松平治) 7.怪我人の無いのを喜んで(飯野校職員) 8.火山の噴火かと思つた(伊藤實) 9.震災遭難記(伊藤公平) 10.自警團に就ての所感(塚田小學校) 11.震災の思出(大木武治) 12.大震災の體驗の一節(高橋茂睦) 13.命を拾った(八田知英) 14.思ひ出(富津小學校)


b. 苦心談 → http://d.hatena.ne.jp/dempax/20170930


1.震災の日(高畠秀男) 2.戰場の如き慰問品の陸揚げ(鈴木保) 3.目覚しかつた漁村青年の活動(鈴木保) 4.疲労した救援團に宿舎が無い(鈴木保) 5.暴徒襲来の蜚報(鈴木保) 6.官命を帯びて(重田嘉一) 7.機智に富んだ警官の措置(八幡警察署) 8.中村戒仙禪師の度量(明小學校) 9.任侠なる兄弟(明小學校) 10.食糧受取の巨船來る(一官吏) 11.記念日の献立(船橋小學校) 12.責任感が危急を救う(船形小學校) 13.鮮人保護に努力(矢指村役場) 14.諄々と村民に訓す(土村役場) 15.風聲鶴唳(富勢村役場) 16.救護救援に苦心(小見川町役場) 17.鮮人保護のこと(旭町警察署) 18.非常時に有り勝ちな違算(藤川■) 19.10年の昔(山口道太郎)

*1:跪 ひざまづく『岩波 新漢語辞典』p.1257