朝日新聞2016/03/21朝刊29面【ちば首都圏】「まさか こんなに米軍機/木更津の陸上自衛隊飛行場 着陸1113回【2014年度 全国3位】」

まさか こんなに米軍機/木更津の陸上自衛隊飛行場 着陸1113回

(写真説明)海に囲まれた陸上自衛隊木更津飛行場=2013年5月撮影



陸上自衛隊木更津飛行場(木更津市)に米軍機が2014年度1113回着陸していたことが分かった。訓練などが目的とみられる。同飛行場は現在も日米安保条約に基づく米軍提供施設。米軍は共同使用できるが、市や市民の間では、1972年に米軍が撤収した後は米軍はほとんど利用していないと思われていた


【2014年度 全国3位】

佐賀県が昨年12月、佐賀空港へのオスプレイ配備に関連して防衛省に送った質問書の回答で明らかになった。いくつかの質問の中で、沖縄の負担軽減に絡み全国の民間空港を含む飛行場における米軍機の利用状況を求めた


回答では14年度の実績を開示した。木更津は1113回で、米軍と共同利用している厚木(神奈川県)の5967回、三沢(青森県)の4003回に次ぎ全国で3番目だった。あとは硫黄島(東京都)が742回で残りは100回未満。ほとんどが0回だった。千葉県内では館山が3回、下総と成田が0回となっている


防衛省によると、木更津については12年度が1538回、13年度が1558回という


自衛隊の飛行場の着陸回数は民間空港と違い「着陸管制回数」となっていて、1度に数機が着陸しても管制回数としては1回と数える。1機が訓練で離着陸を繰り返す場合もあり、公表された回数が飛来してきた実際の機数と同じにはならないという



陸上自衛隊木更津駐屯地は「週1,2回飛来してくる。数機で来る時もある。離着陸やホバリングなどの訓練を繰り返しているようだ」としている



木更津飛行場は旧日本海軍が1936年に開設した。主滑走路は約1800m。現在は陸上自衛隊第1ヘリコプター団などが駐屯し、米軍の施設は倉庫が1棟あるだけという


戦後、米軍が進駐、1958年から自衛隊と共用になった。1961年に米空軍が立川へ移駐、1972年に米海軍通信要員が撤収してからは自衛隊が占有する形で使用していたと思われていた。日米共同のオスプレイ整備拠点となることが決まっていて、来年1月以降は米軍のオスプレイが随時飛来してきて整備が始まる


市も米軍機の使用実態を同省北関東防衛局で確認した。担当者は「米軍機が来ていることは知っていたが、こんなに離着陸を繰り返していたとは…。飛行場が海に面しているから気付かなかったのだろうか」と話している(堤恭太)