図書館での「高射砲」検索結果

■千葉県立中央図書館蔵書


村山知義解説『現代史の証言5 8.15敗戦前後』汐文社,1975/08/15 p.169-p.186 阿木翁助「高射砲兵の8.15」


その日私はの陸軍一等兵荒川に架かった東北本線の鉄橋を敵の空襲から守るべき高射砲陣地の通信兵だった


東部第部隊「」の番号で呼ばれたその陣地は埼玉県北足立郡蕨町下戸田地籍の畑の中にあった



私は丙種の国民兵で平時なら軍務とは関係ない筈だったが年の月召集され3ヶ月の教育を終えて除隊されようという直前米軍がグアムテニアンへ上陸したため引き続いて置かれる破目になったのだった


約名入った同年兵のうち名ほどの病弱者は予定通り帰され名ほどがフイリピン沖縄へ転属させられ(この人たちは気の毒にも途中皆海へ沈んだ)約名が他の陣地へ転属となり後に残ったのは名だった



私は兵隊になるまでは花柳章太郎水谷八重子の芝居を書く作者だったので「」転属させられずにいたのであった



元来字を書くのが商売だから字を書く速さだけは人に負けない. それに中学時代の軍事教練で軍隊用語は一通り知っている


ある日電話でまた「」を筆記して持っていったら「お前にも取り柄があるんだな」と隊長に誉められた. それまで富山石川長野辺りの山の中から採られてきた兵隊が電話を聞いて書いた通信文には隊長の判読に苦しむような場合が多かったのだ


通信兵として私がどうやらそのところを得たころ8月15日を迎えたのである

と面白いのだが高射砲の参考にはなりそうもない


□高橋光夫・笹山良樹『独立野戦高射砲第32大隊部隊史 我等が思い出の記』佐藤印刷,1991/12


□鈴木総兵衛『聞書・海上自衛隊史話 海軍の解体から海上自衛隊草創期まで』水公会,1989/11/11