辺野古の自由 基地の前の解放区

Q:2014年7月、日本政府は沖縄県内の世論の反対を無視して名護市辺野古での米軍新基地建設作業を強行しました。これに対し、基地内へ入ろうとする工事関係車両を止めようと、辺野古キャンプ・シュワブゲート前での座りこみや、海上作業に対するカヌー隊の抗議・説得行動がはじめられました。その現場のもよう・なりたちなどからお聞きしたいと思います


山城: ここ辺野古での運動のあり方は戦後沖縄の大衆運動の経緯を踏まえて出てきたもので、突然現れたものではありません。戦後70年、あらゆる基地建設反対の現場でとられてきた非暴力の座りこみ行動が受け継がれています。その中で今の辺野古の運動の特徴を挙げるとすれば、ぜっけんとかはちまきを外して、一個の市民としての立場で、主張も辺野古新基地建設反対一本でまとまっていることでしょうか。そうすることで一枚岩の団結をはかることが出来ています


Q:組織ごとの個別の目標を持ち込んで、辺野古をその実現のための手段にするのではなく、と


山城:それぞれ思いもあるし団体意思もあるかもしれないけれど、そこは極力控えてひとりの市民として座り込もうと。十全に、とはいかないかもしれませんが、大半は理解してくれて、今ここに整然と集まっています。団体意思を尊重しながらも、市民が自発的に集う運動、そのことに注目していくと、より柔軟で幅広い運動が可能になってきます


Q:「ΟΟ政権打倒」といった政治運動のスローガンは見られないし聞かれないですね


山城:幟も「」や「」などの超党派なものだけです。毎日ゲート前に集まってくれる人たちは既に退職された先輩がたが中心です。それぞれ教職員組合だったり自治労、国公労だったりと。さまざまな経験を経てきて、今、県民団結のもと一つにまとまって新基地建設を阻止しようと集まってくれている。その先輩がたの経験を、抗議活動の合間に「辺野古総合大学」の講師としてお話しいただいたりしています


Q:ゲート前の多くが個人の自主的な意思表示として来ていて、ただ現場の世話役として山城さんたちがいる


山城:沖縄平和運動センター・統一連(安保廃棄・くらしと民主主義を守る沖縄県統一行動連絡会議)そして多様な市民団体による平和市民連絡会(沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会)の三団体が中心になってとりまとめをしています。個人の自由な意思による幅広い運動に対応するかたちで、世話役のほうも幅広い体制がとられているともいえます


Q: