平成25 2013年松茂町議会第3回定例会会議録


平成25 2013年9月9日(第2日目)


○議事日程(第2号)


日程第1 町政に対する一般質問


新保勲議員


漫画「はだしのゲン」の取扱いについて



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通告のありました新保議員にお願いいたします。新保議員


○9番【新保 勲君】


おはようございます。初めに、ただいま議長からもお話がありましたが、日本が2020年東京オリンピック誘致運動をやっとるときに、世界で一番日本のお世話になって今日のある国が福島産の魚介類を輸入禁止放射能汚染の宣伝をして東京誘致を邪魔しようとしましたけれども、世界は聞く耳立てず2020年東京オリンピックが決定いたしましたことはまことに喜ばしくて、日本人は誇りを持って大いに喜び、そして、7年後の東京オリンピックを大成功に導かないかんのじゃないかと、こういうふうに考えるものであります


それでは、議長の許可を得て、教育改革の一環で漫画「はだしのゲン」の取り扱いについて質問いたします


米国による原爆投下後の広島で暴力的に生きる少年たちを描いた漫画「はだしのゲン」、中沢啓治著は、市民の学校図書館からの撤去要求、これをもとにして半年ほど協議した後の昨年12月、松江市教育委員会が市内の公立小中学校に対して倉庫などにしまって図書館で自由に読めなくする閉架処置をとるように指示して以来、全国的に物議を醸しております。朝日新聞は、子どもたちの、原爆に関心を持つ、そうした出会いを奪いかねない


毎日新聞は、子どもたちが考える機会を奪う。東京新聞は、子どもたちを、もっとゲンに触れ、そして自分で感じてほしい。民主党の海江田代表も同様の主張をしています


それで、本町の図書館で調査しましたところ、原爆被害の語り部で置いとけばよかったようなものを、うその南京虐殺記念館の抗日戦争用に合成捏造された広報写真を見たぐらいの浅はかな歴史認識[*1]や天皇制への偏った思想などてんこ盛りで、小・中学校に常備すべき本だとはとても思えません。と申し上げても、10巻中2巻しかチェックできておりませんので、産経政治部の編集委員、阿比留瑠比氏のコメントを引用しておきます。[*2]


前略、中略となりますが、人間社会の悪意と憎しみばかりを印象に刻んだグロテスクな表現と登場人物の自己中心的な言い分にうんざりした。具体的には、妊婦の腹を切り裂いて中の赤ん坊を引っ張り出したり[*3]等、何ら根拠も示さず旧日本軍の蛮行がこれでもかというほど語られる。特に、「殺人罪で永久に刑務所に入らんといけん奴はこの日本にいっぱいおるよ。まずは最高の殺人者は天皇じゃ」など、天皇に対しては作者の思想の反映か、異様なまでの憎悪が向けられる。憲法表現の自由を保障しておりゲンのような漫画があってもいい。だが、それと教育現場にふさわしいかはおのずと別問題だ。閉架措置云々以前に小・中学校に常備するべき本だとはとても思えないと述べられております


それから、ゲンは、昭和48年、少年ジャンプで連載が開始されたが、ジャンプで連載が打ち切られると日本共産党系雑誌に、そこも打ち切られると日教組系雑誌に掲載された根拠のない日本軍の蛮行や昭和天皇への呪詛がてんこ盛りになったのもこのころであると産経抄に載っていましたが、こんな漫画が全国津々浦々の学校に置かれるようになったわけが容易に理解できるというものであります


そこで、まず、第一に、本町に図書館及び小・中学校でのこの漫画の保有状況と運用状況について質問いたします


第2点は、美人市長がテレビの矢面に立っていた滋賀県のいじめ自殺事件で、学校、教育委員会、市長の責任の所在が不明確で物議を醸していたことはまだ記憶に新しいんでありますが、それを踏まえて伺いますが、このような本はどんな推薦があってどのように検討されてどなたの決裁があって購入に至るのか。その手続、あるいは方法について質問いたします


最後に、この漫画は特定の新聞と民主党代表が戦争を知る重要な作品などと評価しておりますが、一方で、閉架措置云々以前に小・中学校に常備すべき本だとはとても思えない


また、愛媛県西条市の中学生14歳は、「はだしのゲン」は、ことさらに天皇陛下や旧日本軍のことを悪く描写していると思う。私はそんな侮辱的な描写を許さない。歴史をよく知らない子どもに対し好ましい漫画ではないと主張しています。私も、好ましい図書とは思いません。教育長、また、町長はどのように考えどのように処置されるのか、質問をいたします


以上で質問を終わりますが、ご回答によって再度質問させていただきます



○議長【藤枝善則君】 庄野教育長



○教育長【庄野宏文君】


それでは、新保議員ご質問の教育についてお答えをいたします


ご質問の「はだしのゲン」は、2012年12月に死去した漫画家中沢啓治さんが、自らの被爆体験をもとに太平洋戦争末期から戦後の苦難の時代を力強く生き抜くゲンの姿を通じて反戦反核を訴えたヒット作です。作品の内容、表現などについてさまざまな意見がありますが、作者の実体験に基づく原爆の惨禍や当時の時代背景、世相風俗を表現していながらエンターテイメントとしての見せる作品として国内外での評価は高く、映画、ドラマ、アニメ、ミュージカル、絵本、講談化もされています。単行本、文庫本などを含めた累計発行部数は1,000万部を超えています


ご質問の1点目は、本町の町立図書館、小・中学校の図書室、あるいは学級文庫ではどのくらい保持しどのように扱っていますかという問いですが、町立図書館、松茂中学校、長原小学校、喜来小学校では10巻1セットを、松茂小学校では絵本1冊を保持し、そのすべては閲覧可能としております


2点目は、図書購入の手続はどうしていますかとの問いですが、図書の購入については、町立図書館では図書館司書が、学校では司書教諭に当たる者が中心となって話題の本や利用者の希望、本の利用状況を考慮して選定を行い購入をいたしております


3点目は、以後、この漫画の措置をどうしますかという問いですが、現状のとおり、すべて閲覧可能として継続していきたい、こういうふうに考えております


以上でご答弁とさせていただきます



○議長【藤枝善則君】 新保議員



○9番【新保 勲君】


ご答弁をいただきましたが、まるでやる気のないご答弁のように思います


まず、ご答弁のように、この「はだしのゲン」の閲覧制限は、8月26日の松江市臨時教育委員会会議で内容に突っ込んだ議論は避けて、昨年12月、事務局だけの判断で校長会で制限を求めたこの教育委員に説明せずに決定した過程を、批判が相次ぎ手続の不備があるとして各学校の判断に委ねるという形で制限要請の撤回を決めたものでありますが、何を言っとるんかと思うんです。こういう物議が醸し出されたら、教育委員なんていうのは、この図書はどんなもんか調査して検討をして、それで、自分らで処置せないかんのでしょう。教育委員を通さんと発表をやったから手続に不備があるから言うて撤回なんていうのは本末転倒じゃないですか


教育長に伺いますが、この物議を醸し出されてから、本町では教育委員を集めて検討会議を開いて結論を出されたのですか。多分、そんなことはしておられないと思います。同僚議員が教育委員会で質問したとき、「はだしのゲン」なんか読んだことないと言う人が大方だったそうですけども、購入のときにそこまで調べるちゅうのは、まあ、無理かもしれませんけども、仮に、物議が醸し出されたときには、少なくとも教育委員会は立ち上がって、適か不適か、よく検討しなきゃならんのじゃないでしょうか。まず、臨時検討会でも、教育委員会は実施されたのかどうかを伺います


これ、各学校の判断に委ねることで閲覧制限要請の撤回を図ったと言われることに対して、大阪の橋下市長は、社説で撤回を求めた朝日新聞毎日新聞を名指しして、教育委員会の独立性を完全に脅かした、独立性は要らないと言ったに等しいと批判しまして、教育委員会に対しても、だらしがない、独立性を自ら放棄したようなもの、判断に自信があるなら朝日新聞毎日新聞に言われようが教育的判断だと言えばいい、こう苦言を呈しておりました


それから、3つほど、おかしいという例をあげますが、岩田温、秀明大専任講師は、特定の思想傾向が強い、そういう漫画で歴史学的に間違いがあると問題視しております。それから、平和と安全を求める被爆者たちの会広島の池中美平副代表は、原爆の悲惨さを強調するのはいいが、作品は非道な原爆投下を日本人の責任にする偏った思想の宣伝道具だ


学校図書とするのは問題があると指摘しておられます。それから、藤岡信勝拓殖大学客員教授ですが、天皇についての理解と敬愛の念を深めると明記する学習指導要領に明確に違反する。もっと議論がわき起こっていいと話しております


念のために申しておきますが、昨日のたかじんのそこまで言って委員会というテレビ放送がありますが、ここでは、社民党に一旦当選した田嶋陽子いうんがかかわっておりますけど、これが1人反対しただけで、あとの7人は、これはおかしい、この漫画はおかしい、こういうふうに全国放送しておりましたことをつけ加えておきます。1つ、教育委員会で臨時会でも開いて検討されたのかどうか、それから、学習指導要領に明確に違反すると言われておりますが、これに対するお考え、2つ、お伺いして再問します



○議長【藤枝善則君】 庄野教育長。⇒ 抜粋後半へ続く id:dempax:30140423



*1:侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館 http://www.nj1937.org/english/http://www.nj1937.org/english/massacre_6.asp「On August 12, 1985, the People's Government of Nanjing Municipality had the Memorial to the Victims of the Nanjing Massacre erected on the site of the Jiangdongmen,one of the places where the Japanese troops slaughtered the Chinese civilians in mass.Since then,numerous people from China as well as a great number of overseas friends have come to visit and express their grievances as well as teir wishes of opposing aggressive wars and safeguarding world peace.…」

*2:「読まずに難癖とはええ根性しとるのお,このボンクラは,…,恥ずかしくないですか?」

*3:『月刊イオ』2014/3 p.68参照