東京新聞読者投稿欄から【2013/06/01】


橋下氏突けぬTV


星徹


日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が月日の記者会見で、旧日本軍の慰安婦制度について「必要なのは誰だって分かる」と語った。明らかに、橋下氏の価値判断を示したものだ。


しかし、批判が激しくなるとメディアを悪者にして「大誤報だ」「読解力不足だ」などと逆ギレして、「他の国もやった」的な論点外しも始めた。


こういった時こそ、ジャーナリズムの真の役割が期待される。しかし、実態は惨めなものだ。特に全国網テレビ局はひどい。


いくつかの報道番組を見たが、橋下氏に出演してもらって、言わせ放題にしているだけだ。司会者やゲストは「理解が得られない」などと腰が引けた感想を述べる程度で、橋下氏の言説の矛盾点を具体的に突く質問や批判が皆無なのだ。「うそも百回言えば本当になる」。そんな社会にしてはならない。