== 岩波書店大江健三郎・被告弁護団文部科学大臣への申し入れ および 4/11緊急学習会@神田神保町の案内その他を勝手に転載追記 2007/04/06 ==

沖縄「集団自決」に関わる06年度教科書検定に抗議する



文部科学省が3月30日に公表した06年度の教科書検定で,沖縄戦において発生した「集団自決」について,「日本軍に強制された」という内容を修正させたことが明らかになった.


その理由のひとつとして,05年に,沖縄戦座間味島守備隊長であった梅沢裕および渡嘉敷島守備隊長であった故赤松嘉次の遺族によって,岩波書店及び大江健三郎名誉毀損で訴えられていること,その中で原告が隊長命令はなかったと主張していることが挙げられている. また,「文科省が参考にした集団自決に関する主な著作等」の中には「沖縄集団自決冤罪訴訟」という項目がある(この「冤罪訴訟」という言葉は原告側の支援者の呼び方であり,中立・公正であるべき行政の姿勢を著しく逸脱するものである).


しかし,


(1)訴訟は現在大阪地裁において継続中であり,証人の尋問さえ行なわれておらず,


(2)岩波書店及び大江健三郎は,座間味島及び渡嘉敷島における「集団自決」において,(1)「軍(隊長)の命令」があったことは多数の文献によって示されている,(2)当時の第32軍は「軍官民共生共死」方針をとり,住民の多くを戦争に動員し,捕虜になることを許さず,あらかじめ手榴弾を渡し,「いざとなれば自決せよ」などと指示していた,つまり慶良間諸島における「集団自決」は日本軍の指示や強制によってなされた,として全面的に争っており,


さらに,


(3)「集団自決」をした住民たちが「軍(隊長)の命令があった」と認識していたことは,原告側も認めている.


文部科学省が「集団自決」裁判を参照するのであれば,被告の主張・立証をも検討するのが当然であるところ,原告側の主張のみを取り上げて教科書の記述を修正させる理由としたことは,誠に遺憾であり,強く抗議するものである.



2007年4月4日


(株)岩波書店
大江健三郎
沖縄「集団自決」訴訟被告弁護団
文部科学大臣 伊吹文明殿

連絡先:千代田区一ツ橋2-5-5
岩波書店 岡本(5210−4142,5210−4144FAX)【出典: http://susumerukai.blog87.fc2.com/blog-entry-12.html

■4月11日「沖縄戦緊急学習会」


ビデオ証言で学ぶ「集団自決」と教科書削除問題


●主催 出版労連教科書対策部


1945年,沖縄戦時の渡嘉敷島で住民みずから命を絶たされた「強制集団死」を体験し,自らも肉親にも手をかけざるを得なかった金城重明さんのビデオ証言上映と撮影者の大島和典さんに沖縄からみた「大江健三郎岩波書店沖縄戦裁判」と「教科書記述削除問題」についてお話しいただく予定です.


また,今回の「集団自決」に関する教科書検定の具体的内容について教科書出版の現状報告と「大江・岩波沖縄戦裁判」の最新状況をお伝えします.

  • 日時:4月11日(水)18時30分〜20時30分 会場:18時
  • 会場:岩波セミナールーム(岩波アネックスビル3F)

地下鉄半蔵門線/都営三田線/都営新宿線神保町駅下車すぐ 岩波ホール

  • 参加費:無料


★「金城証言−渡嘉敷島における集団死について」上映(30分)


講師:大島和典

1936年生まれ. 元四国放送社員. 民放労連四国放送労組副委員長,徳島マスコミ共闘幹事,冤罪事件「徳島ラジオ商事件」支援組織事務局長など歴任. 現在,沖縄平和ネットワーク会員.

四国放送で長年,ラジオ・テレビ番組の報道・制作業務に携わり,1996年定年退職. 04年1月,沖縄戦や米軍基地の現状を伝える平和ガイドになるため,徳島県から沖縄県へ移住. 同年4月より辺野古の新たな米軍基地建設に反対する住民運動をビデオで撮り続け,その活動から2005年JCJ市民メディア賞を受賞した.

現在も沖縄戦や米軍基地の取材をしながら,沖縄平和ネットワークの一員として修学旅行生等を対象に年間約80回の平和ガイド活動を行っている.



さきの教科書検定について 吉田典裕(出版労連教科書対策部事務局長)



大江健三郎岩波書店沖縄戦裁判」について 大塚茂樹(岩波書店 沖縄「集団自決」訴訟担当)



主催:出版労連教科書対策部


共催:出版労連平和共闘委員会/教科書共闘会議/出版・産業対策部


後援:岩波書店労働組合 協力:沖縄平和ネットワーク【出典:沖縄平和ネットワーク首都圏の会ブログ http://d.hatena.ne.jp/shutoken/ id:shutoken:20070406 】

追加りんく

林博史
戦没者と平和の関係について http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/essay02.htm
今回の都知事選挙について-現代史の視点から(1999年4月) http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/essay03.htm


緊急学習会 沖縄戦の歴史歪曲を許さない!



大阪裁判,集団自決は「美しい死」
その裁判を理由に高校の教科書が修正させられる


大阪で行われている裁判で原告側は,「『集団自決』とは軍の足手まといにならないよう住民自ら自発的に死んだ. それは『美しい死』である. 」と主張しています. そして,文科省は,この裁判がなされていると言う理由で,高校の教科書検定で修正意見を出し,その結果,「日本軍」という文言の削除や「集団自決」が「自決」へ変更されていることが明らかになりました. 現在係争中の裁判であるにもかかわらず,このような修正意見を出すことは,政治的意図で裁判を利用しようとするものです.


まさに,歴史を歪曲するという形で,子どもたちの未来を再び戦争へと導こうとするものです.


この「平和の危機」「歴史の危機」を広く全国へアピールすることがいま沖縄に求められています.


学習会内容

1.「教科書検定結果の問題点」講師:高嶋伸欣(すすめる会代表,琉球大学教授)

2.裁判傍聴報告〜裁判の論点と今後の課題〜 報告者:山口剛史(すすめる会事務局長)


とき:4月6日(金)午後6時半〜

ところ:教育福祉会館3F


沖縄戦の歴史歪曲を許さず,沖縄から平和教育をすすめる会
連絡先: 〒902-0061 那覇市古島1−14−6 教育福祉会館2F
TEL 098-887-1661/FAX 098-885-3542【出典:沖縄平和ネットワーク http://okinawaheiwa.net/


会報アジマー

文部科学省 2007/04/03大臣会見概要 http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/07040500.htm



子どもと教科書全国ネット21 http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/


==ここまで2007/04/06追記==


via モジモジ君の日記.みたいな. 2007/04/01 ■沖縄戦「自決強制」を検定削除--また「狭義の強制」論ですか http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20070401/p1

いじめを苦に自殺した子がいたとして,いじめをしたグループの関与は認められない,とは言えないのである. いじめ自殺を「社会的他殺」という言い方もする,というのになぞらえて,石原氏は「日本軍の作戦による軍事的他殺」(p.94)という言い方もしている. こういう検定意見をつける文部科学省には,100%,いじめ対策なんて無理だろうな. 【モジモジ君の日記.みたいな. 2007/04/01】

彎曲する日常 [資料]沖縄戦集団自決,「日本軍の命令」に意見 http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070329
毎日新聞 2007/03/31 関連記事目次 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/03/index.html



産経新聞 2007/03/26 歴史教育正常化を 松江でタウンミーティング http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070326/gkk070326001.htm
産経新聞 2007/03/31
沖縄戦集団自決「軍命令」を修正 高校教科書検定 http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070331/gkk070331001.htm

集団自決の軍命令説については,遺族年金受給のための口裏合わせだったとする証言が相次いで明らかになっており,文科省は今回から検定方針を変更した [太字強調は引用者]

【主張】沖縄戦 新検定方針を評価したい http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070331/shc070331001.htm

教科書執筆者,出版社には [中略] なによりも実証に基づく正確な記述を求めたい. [太字強調は引用者/歴史記述における「正確」については 川本隆史「民族・歴史・愛国心 「歴史教科書論争」を歴史的に相対化するために」,岩崎稔「忘却のための「国民の物語」「来歴論」の来歴を考える」小森陽一/高橋哲哉ed.『ナショナル・ヒストリーを超えて』(東京大学出版会 1998/05/27 isbn:4130033131 )所収 を再読しよう]

沖縄タイムス 2002/12/03 [社説]家永さん死去 「不作為の罪」問い続ける http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20021203.html

一九八八年二月,沖縄戦の「集団自決」をめぐり沖縄出張法廷が開かれ,実相が浮き彫りになった.

沖縄戦で「日本軍のために殺された人も少なくなかった」と記述. 国は「犠牲者の最も多かった集団自決を一番初めに加える」よう検定意見を付けた.

法廷で国側は「軍命はなく,皇民化教育の発露としての自発死」と主張. 家永弁護団は「軍の強制,誘導による集団死. 加筆は軍の残虐行為の印象を薄める狙いがある」と論じた.

金城重明氏の「日本の誤った教育の終着駅. 住民の自発的なものではない」という証言に,家永さんは貴重な裏付けと語り,家族を自ら手にかけたという証言の重みに涙した.

沖縄タイムス 2007/03/31
「集団自決」軍関与を否定/08年度教科書検定 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703311300_01.html
沖縄戦 ゆがむ実相 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703311300_02.html
政府「軍命」隠滅か http://www.okinawatimes.co.jp/day/200703311300_03.html

[視点]真実のわい曲許せず 600人死亡の惨劇消えぬ

[中略]

「集団自決」を語る住民の言葉は重い. ある男性は,目撃した光景を,あたかも六十二年前に戻ったように語る. カミソリを持つしぐさ,首筋からの血しぶきがサーッと降りかかり,全身真っ赤になったこと. 「目の前にその場面があるんです」. 鼓動が乱れる,息をのみ,目には涙があふれている. 身を削るように語り続けるのは,証言後は同じようにぐったりしていた母親が「生き残った者の使命だよ」という言葉があったからだ.

慶良間諸島の「集団自決」では約六百人が亡くなった. 死者の沈黙,家族を手にかけたゆえの沈黙,犠牲となった人数の数倍も数十倍も沈黙がある. その沈黙を利用して「集団自決」の真実をねじ曲げようとする動きを許すことはできない. (編集委員・謝花直美)

教科書から「自決強制」を削除 文科省が修正意見 琉球新報 2007/03/31 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-22560-storytopic-1.html



東京新聞 2007/03/31 集団自決『軍の強制』削除 沖縄戦・高校教科書検定 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007033102004836.html

同省は検定姿勢変更の理由を(1)梅沢氏が訴訟で「自決命令はない」と意見陳述した(2)最近の学説状況では,軍の命令の有無より集団自決に至った精神状態に着目して論じるものが多い−と説明. 発行済みの教科書で,同様の記述をしている出版社に情報提供し,「訂正手続きが出る可能性もある」としている.

東京新聞[社説]2007/04/02 沖縄戦検定 歴史の真実がゆがむ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007040202005344.html



しんぶん赤旗 2007/03/31
高校教科書文科省検定 沖縄戦での住民集団自決 「日本軍が強制」を削除 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-31/2007033101_01_0.html
歴史ゆがめる教科書検定 「証拠ない」と侵略戦争美化ねらう http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-31/2007033108_01_0.html




- 修正内容一覧

しんぶん赤旗 2007/04/01 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-04-01/2007040114_01_0.html


文部科学省 教科書検定結果 *1 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/kekka.htm
平成18年度教科用図書検定結果の概要 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/07032704.htm




- 関連図書etc *2


陸軍省『戦陣訓』*3 http://archive.hp.infoseek.co.jp/senjinkun.html
wiki『戦陣訓』http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E9%99%A3%E8%A8%93



頭山満 サイパン玉砕……「それは愉快なことぢゃ」「公論」1944/10月号(第一公論社刊) 虚構の皇国blog 2007/03/30[皇国トンデモ徒然草] 住民集団自決に「愉快なことぢゃ」 http://d.hatena.ne.jp/tadanorih/20070330



沖縄集団自決冤罪訴訟を支援する会 2007/03/30 教科書検定 集団自決に軍関与を削除

平成19年3月30日は第8回口頭弁論でしたが,ちょうどこの日,教科書検定により,沖縄戦での集団自決が軍の命令によって,あるいは軍の関与によって起こったという記述が教科書から削除される事が分かりました. 大変よきことであると思います. すばらしいことで,これでこの裁判を起こした目的の半分は達成されました. [以下,省略/太字強調は引用者による]

曽野綾子『ある神話の背景 沖縄・渡嘉敷島の集団自決』(文芸春秋社 1973/05/10初版第1刷 book-off価格105円) *4



安仁屋政昭編『裁かれた沖縄戦』(晩聲社 1989)
書評 http://law.leh.kagoshima-u.ac.jp/STAFF/oguri/shohyou4.htm



プライム・ロー:教科書検定( School Textbook Screening(Censorship) ) http://www.yfujita.jp/ts/
家永教科書検定訴訟第三次訴訟・上告審判決(大野判決)最高裁判所第三小法廷平成9年8月29日判決 http://www.yfujita.jp/ts/33han_1.html



教科書闘争私記(第52号;2005) http://okinawaheiwa.net/kaiho/journal52.html



東西南北1998 シンポジウム アジアのなかの教科書裁判 http://www.wako.ac.jp/souken/touzai98/tz9801.htm
問題提起4◎教科書裁判と近現代史認識 永原慶二 一橋大学名誉教授 http://www.wako.ac.jp/souken/touzai98/tz9812.htm



石原昌家・大城将保・保坂廣志・松永勝利『争点・沖縄戦の記憶』(社会評論社 2002/03 )
目次 http://www.shahyo.com/1420moku.html
書評 http://www.shahyo.com/1420shohyo.html#anchor1159545



林博史
沖縄戦の諸相―離島における沖縄戦 藤原彰編著『沖縄戦ー国土が戦場になったとき』(青木書店、1987年)所収 http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/paper12.htm
江口圭一さんへの追悼文 江口さんと沖縄戦研究 http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/essay06.htm



比嘉慂『カジムヌガタイ 風が語る沖縄戦』(講談社モーニングKC)
比嘉慂『美童[みやらび]物語』(講談社モーニングKC 2007/02/23 isbn:9784063725803 )

  • 猫と一人暮らし女の「抹消」

笙野頼子『愛別外猫雑記』』(河出書房新社 2001/03 isbn:4309014046 / 河出文庫し4-3 ISBN:9784309407753) http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309407753
笙野頼子『S倉迷妄通信』(集英社 2002/09 ISBN:4087746054) http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-774605-4&mode=1

  • 「売れない文芸誌」「売れない純文学」の「抹消」

笙野頼子『徹底抗戦!文士の森 実録純文学闘争十四年史』(河出書房新社 2005/06 ISBN:9784309017129 ) http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309017129
笙野頼子ドン・キホーテの「論争」』(講談社 1999/11 現在 版元品切 ISBN:4062099144) http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2099144

  • 女子ども,そして死者たち の 「抹消」

笙野頼子『だいにっほん,ろんちくおげれつ記』(講談社『群像』2006/8月号 p.6-89)
笙野頼子『だいにっほん,おんたこめいわく史』(講談社 2006/08 ISBN:4062135248) http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2135248



うわぁ,関連図書がどんどん ズれていく



雨宮処凛『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版 2007/03/28 isbn:9784778310479)

我々は反撃を開始する.
若者を低賃金で使い捨て,それによって利益を上げながら若者をバッシングするすべての者に対して.

「自己責任」の名の下に人々を追いつめる言説に対して.

私たちはすでに,生存の権利すら奪われている. 個人の価値が市場原理にしか還元されないという,人間の命よりも経済が優先される社会のなかで.

制御不能なまま暴走する資本主義が,人を人として扱わなくなったことに,もう誰も黙ってなどいないのだ.【雨宮処凛『生きさせろ! 難民化する若者たち』はじめに から断片的な抜書】


大江・岩波支援連絡会 http://www.jrcl.net/web/frame060626d.html




== 新聞記事と被告支援サイトへのリンクを追加 2007/04/03 20:45 ==

沖縄タイムス戦後60年平和Web http://www.okinawatimes.co.jp/sengo60/

沖縄タイムス 2005/12/28 日本兵「スパイ殺害」記述/琉大保坂教授,米公文書館で発見 http://www.okinawatimes.co.jp/sengo60/kiji/20051228_1.html

沖縄タイムス 2006/10/03 米公文書に「軍命」慶良間・集団自決/発生直後の住民証言 関東学院大 林教授発見 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200610031300_01.html


沖縄タイムス 2007/04/03
指示撤回求め抗議/「集団自決」修正 文科省に市民団体「軍関与明記を」http://www.okinawatimes.co.jp/day/200704031300_01.html

文部科学省が二〇〇八年度から使用される高校歴史教科書の検定で沖縄戦の「集団自決」記述について,日本軍の関与を否定する意見を付し教科書会社に修正させたことについて,県内の市民団体が二日,記者会見し「検定結果は沖縄戦の実相をゆがめることであり,戦争の本質を覆い隠し,美化するものだ」と強く抗議した. 文科相あてに,今回の修正指示の撤回と各会社が軍の関与を明記した申請段階の文章に戻すよう求めた.

沖縄戦の歴史歪曲を許さず,沖縄から平和教育をすすめる会」の共同代表の高嶋伸欣琉大教授,福地曠昭さんらが県庁記者クラブで会見した.

高嶋教授らは,文科省が大阪地裁で係争中の訴訟で「『集団自決』で軍命はなかった」と述べた一方の当事者(原告)の主張を根拠に,教科書会社に申請内容の書き換えを要求したことについて,「裁判を恣意的に利用した. 政治的な意図が見え隠れする」と批判した. その上で「原告らの主張する『集団自決』は,住民が国に殉じた犠牲的精神に基づき,自ら命を絶った美しい死であったとする一方的な歴史観だ」と指摘. その内容の教科書が全国の子どもたちに渡ることを絶対に許す事ができないとして,修正指示の撤回などを文科省に強く求めていく考えを示した.

高嶋教授は「今回の教科書検定の理由は支離滅裂だ. 文科省は教科書の検定基準や裁判を恣意的に利用している. 追及しなければならない」と語気を強めた. 福地共同代表は「子どもたちに事実と違うことを教えてはいけない. 指導要領や教育方法は変わっても,沖縄から徹底的に平和教育を進めるべきだ」と語った.

「すすめる会」は六日午後六時半から那覇市の教育福祉会館で緊急抗議集会を開く. 三日午前には,沖教組と高教組が同クラブで抗議会見を開く.

高教組・沖教組「歴史歪曲 許さぬ」/「集団自決」修正 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200704031700_02.html



琉球新報 2007/03/31
「岩波訴訟」原告意見も参考 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-22563-storytopic-1.html
「事実打ち消せない」教科書自決強制削除 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-22562-storytopic-1.html


琉球新報 2007/04/03
「一方的な歴史観平和団体,文科省指示に抗議 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-22650-storytopic-1.html
高教組・沖教組 文科省に撤回要求 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-22672-storytopic-1.html



大江健三郎岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会 http://www.sakai.zaq.ne.jp/okinawasen/

沖縄戦の歴史歪曲を許さず,沖縄から平和教育をすすめる会 http://susumerukai.web.fc2.com/

沖縄県歴史教育者協議会(沖縄県歴教協) http://okireki.cocolog-nifty.com/



== [公平のため??]斬り込み部隊のurlと被告支援サイトの声明文を転載 2007/04/04追記==



自由主義史観研究会 *5 http://www.jiyuu-shikan.org/

高等学校歴史教科書検定における沖縄戦の「集団自決」の記述から
「軍の強制」を削除させたことに対して抗議する



2007年3月30日に公表された高等学校歴史教科書の検定結果によれば,文部科学省は,沖縄戦における集団死・「集団自決」について「日本軍による自決命令や強要があった」とする5社,7冊に対し「沖縄戦の実態について誤解する恐れのある表現」として修正を指示し,日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させたことが判明した.


1982年の教科書検定時,沖縄における日本軍の住民虐殺の記述を巡って,検定により修正が加えられていることが明らかになるや「沖縄戦の実相」を否定・歪曲するものとして戦争体験者をはじめとして沖縄全体から大きな怒りと反発が起こった. 文部省(当時)は,沖縄戦の住民犠牲を記述する場合は,犠牲的精神の発露としての住民自ら命を絶った美しい死であるとする意味での「集団自決」を盛り込むよう強要してきたのである. しかし,沖縄戦研究及び多くの生存者・体験者が明らかにしたことは,沖縄戦における「集団自決」とは極限状況におかれた住民が,「軍官民共生共死」の思想のもと,家族同士が殺し合うという悲惨なものであった.


このことは,第3次家永教科書裁判の最高裁判決において,「集団自決の原因については,集団的狂気,極端な皇民化教育,日本軍の存在とその誘導,守備隊の隊長命令,鬼畜米英への恐怖心,軍の住民に対する防備対策,沖縄の共同体のあり方など様々な要因が指摘され,戦闘員の煩累を絶つための崇高な犠牲的精神によるものと美化するのは当たらないとするのが一般的であった,というのである」「集団自決と呼ばれる事象についてはこれまで様々な要因が指摘され,これを一律に集団自決と表現したり美化したりすることは適切でないとの指摘もあることは原審の認定するところである」と明確に判示され,「日本軍によって強制された『集団自決』(集団死)」が,日本軍の住民虐殺と併せて,沖縄戦研究の定説として教科書に記述されてきた.


今回の文部科学省の検定意見は,大阪地方裁判所で係属中の大江健三郎氏と岩波書店名誉毀損で訴えた原告梅澤氏の主張等を持ち出し,「軍命がなかった」という一方の当事者の主張に立脚し,それが主流になりつつあると判断し,申請内容を修正させたのである. 裁判は,主張書面や証拠書類等が提出されたのみであり,現在進行中である. 訴訟係属中で結論の出ていない裁判の一方当事者の主張を根拠に教科書記述の書き換えを要求することは,裁判を恣意的に利用したものであり,政治的な意図が見え隠れするものと言わざるを得ない. 原告らの主張する「『集団自決』は,住民が国に殉じた犠牲的精神に基づき,自ら命を絶った美しい死であった」とする一方的な歴史観を押しつけるものである.


私たちは,この検定結果が沖縄戦の実相を歪めるものであり,戦争の本質を覆い隠し,美化するもので,沖縄の未来を担う子どもたちはおろか,日本全国の子どもたちにこのような内容の教科書がわたることを絶対に許すことはできない.


ついては,今回の検定結果に強い抗議を示すとともに,文部科学省は今回の修正指示を撤回し,申請時の文章に戻すよう強く要求する.



文部科学大臣



2007年4月2日



沖縄戦の歴史わい曲を許さず,沖縄から平和教育をすすめる会
大江健三郎岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会

【出典: http://susumerukai.web.fc2.com/


 

*1:検定事例には未掲載=2007/04/02 17:30時点

*2: ?? 超要約

*3:1941.1.8 東条陸相 戦陣訓を示達

*4:関係元軍人からの聞き取り調査で「軍命令がみつからなかった」ことを報告 =「軍命令がなかったことを検証」したルポではない = "軍命令まぼろし化工作"の古典 いまだ この本に縋りついているところがおっくれてる

*5:自由主義史観研究会HP表紙頁 右下"会員随時募集中!"背景には なにやら『虚構の皇国』blog http://d.hatena.ne.jp/tadanorih/ 好みな「期待される御子様」聖像写真まで イっちゃってる. ネットウヨやネット蝗のみなさんは 旗振り大好きおぼっちゃま/お嬢様になりたいのであろうか