ケンカの仕方

IHM波動水商売を調べていて,みつけた本,おもしろそうだが未入手.



松永和紀『「食品報道」のウソを見破る 食卓の安全学』(2005/07/1 社団法人家の光協会)
isbn:4259546775 http://www.populus.est.co.jp/asp/booksearch/detail.asp?isbn=ISBN4-259-54677-5



書評: 市民のための環境学ガイド 時事編:現在進行中 http://www.yasuienv.net/

> 2005/09/04 「食卓の安全学」&疑似科学 http://www.yasuienv.net/SaftyFoodMatsunaga.htm



関連


日経BP FOOD・SCIENCE 食の機能と安全 http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji_itiran.jsp

> 2005/11/02 松永和紀のアグリ話●環境リスク管理学・中西準子氏裁判の真実に迫る2 http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=509 同1 http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=505

連載「松永和紀のアグリ話」BN http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji_mtng_itiran.jsp


Wakilab ワキラボ サイエンスライター 松永和紀(まつながわき)のページ http://www.wakilab.org/

> 『食卓の安全学』参考文献 http://www.wakilab.org/references.html



環境ホルモン濫訴事件:中西応援団 http://www.i-foe.org/



中西準子のホームページ http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/

> 雑感324-2005.11.15「しかけられた名誉毀損訴訟の当事者的考察(その1)-マスコミでの断罪を期待した提訴−」 http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak321_325.html

マスコミが書けば, それでいい

1)のプレスリリースの内容は, 法廷での戦いを想定すれば, どう考えても原告に不利である. 名誉毀損に該当しない理由で提訴したと言うのであるから. これに対して, 多くの人が, 「中下さんは, 法律を知らないのでしょうか」という感想をもらす. 法律を知らない筈がない. 別に思慮が足りないわけでもない. いや, むしろ頭がいいのだと思う. そもそも法廷で争うような名誉毀損該当事実が存在しない時に, どうすれば相手に打撃を与えることができるか考えて“提訴”を利用する方法を考えた.

これが, 今回の方法だ. つまり, こう言えばマスコミがついてくると判断したと思う. つまり, 「環境ホルモン問題は終わった」というような誤った考えを持っている怪しからん奴, 学習障害注意欠陥多動性障害など大きな問題があるのにどうしてくれる, と言えば, マスコミが大宣伝してくれる, そう踏んだのであろう. そうすれば, 裁判で結果が出る前に, 私の信用を失墜させることができると考えた.

2)口頭説明の嘘もそうだ. 「どうして, 直ぐにばれるような嘘を言うのでしょうか?」, 「なぜもっと事実で固めて提訴しないのでしょうか, 軽率ですね」と多くの人が言う. 軽率ではない, 考えた末のことだろう. 事実を固めようにも事実がない. 法廷で事実関係が問われる前に, マスコミで大宣伝すれば, それでいいと考えるから, 提訴したに違いない.

つまり, 彼らには, 法廷での争いはどうでもよかったのである. それ以前に, マスコミで叩かれることで, 中西は十分信用を失墜させる筈だと考え, それで十分目的を果たせると考えたのである.


絶対安全地帯からの提訴

もし, マスコミがこのように動いたら, 確かに私の信用は失墜し, 大打撃を受けたと思う. その1年後に, 例え裁判で原告に不利な判決が出ても, また, 控訴すればいいし, 数年延ばすことができる. そうすれば誰も忘れてしまうし, その間, 中西の信用を失墜させれば目的は達成される. 例え, 松井さんが裁判に負けても一切損はない. つまり, 損失ゼロなのだ. 裁判費用は無料だろうし, 本人は口頭弁論にも出てこないし, 忘れた頃に判決が出るのだから.

彼にとって最悪の場合でも, 請求棄却, それだけ. まかり間違っても, 松井さんは何の損にもならない. つまり, 絶対安全地帯からの提訴なのである(リスクを負わない提訴もあるのだ, 弁護士と手を結べば).


マスコミが裁くことを期待した裁判

つまり, 法廷で争うために提訴しているのではない. "法廷"という権力装置の権威を借りて, マスコミに書かせて, マスコミが断罪することを期待した提訴なのである. マスコミは, 彼らの思うとおりに書くと思っている. なぜか?ダイオキシン環境ホルモンで, 彼らの思うとおり, 裏付けがなかろうと, それが, 些細なことであっても, 大きな見出しで "人類の危機"みたいに書いてくれたからである.

市民派(? 地球破滅論者?)と言われる大学教官のデータを無批判に大見出しで報道し, それに疑いがかけられても, 知らん顔, 役所や企業には情報公開を求めるが, 市民派(?)教官のデータについては, 根拠の公開は求めないなど, マスコミは環境ホルモン派の研究者や市民団体に有利な記事を書き続けてきた. 原告代理人が, 準備書面に書いたマスコミ対する異常な信頼感は, まさに環境ホルモン問題でのマスコミと市民派(?)運動家との蜜月時代に醸成されたものであろう.

大江健三郎岩波書店もしっかりケンカしてほしい.いまいち頼りないのだ.

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