死刑前の母への手紙を無視するのか?

百人斬り裁判を支援する会 『虚報・冤罪「百人斬り」(刑の執行)』 http://homepage3.nifty.com/kyoho-enzai/00071.htm [*1]では≪遺書≫として≪辞世≫[*2]だけを掲載している. 『いぬぶし議員の捏造』[id:claw:20041228#c][*3]は不正確だ[*4].


id:claw:20041228#c より

[いぬぶし激辛日誌 2004/10/27 日誌 本文前半 省略, 後半を以下に引用]

最後に室長代理より、出版社にとっても、また作家にとっても、一度掲載したものを『削除』『訂正』することは、相当の重みを持っている、どうか、その点は理解して欲しい旨の話があり、これについては、是とした。

別れ際に、『百人斬り』により戦犯として処刑されたお二人の将校の遺書をお渡しした。どうか、このお二人の心情を思い、誠意ある対応をお願いします、と。



此の度中国法廷各位、弁護士、国防部の各位、蒋主席の方々を煩わせました事は厚く御礼申し上げます。只俘虜非戦闘員の虐殺、南京虐殺事件の罪名は絶対にお受けできません。お断り致します。死を賜りました事に就いては天なりと観じ命なり諦め、日本男児の最後の如何なるものであるかをお見せ致します。今後は、我々を最後として我々の生命を以って残余の戦犯嫌疑者の公正なる裁判に代えられん事をお願い致します。宣伝や政策的意味を以って死刑を判決したり、而目を以って感情的に判決したり、或いは抗戦八年の恨みを晴らさんが為、一方的裁判をしたりされないよう祈願致します。我々は、死刑を執行されて雨花台に散りましても、貴国を恨むものではありません。我々の死が中国と日本の楔となり、両国の提携となり、東洋平和の人柱となり、ひいては世界平和が到来することを喜ぶものであります。何卒我々の死を犬死、徒死たらしめない様、これだけを祈願致します。

中国万歳
日本万歳
天皇陛下万歳      野田毅



我は天地神明に誓い捕虜住民を殺害せる事全然なし。南京虐殺事件等の罪は絶対に受けません。死は天命と思い日本男子として立派に中国の土となります。然れ共魂は大八州島に帰ります。わが死を以って中国抗戦八年の苦杯の遺恨流れ去り、日華親善、東洋平和の因となれば捨石となり幸いです。中国のご奮闘を祈る。日本奮闘を祈る。中国万歳、日本万歳、天皇陛下万歳、死して護国の鬼となります。   向井敏

[激辛日誌 http://www.enpitu.ne.jp/usr9/bin/month?id=98044&pg=200410 2004/10/27 集英社に事実確認へ]

向井敏明少尉の ほんまものの 「≪辞世≫を含む≪遺書≫」

辞世


我は天地神明に誓い捕虜住民を殺害せる事全然なし。南京虐殺事件等の罪は絶対に受けません。死は天命と思い日本男子として立派に中国の土になります。然れ共魂は大八州島に帰ります。

我が死を以て中国抗戦八年の苦杯の遺恨流れ去り日華親善、東洋平和の因ともなれば捨石となり幸ひです。


中国の御奮闘を祈る

日本敢奮を祈る



中国万歳

日本万歳

天皇陛下万歳

死して護国の鬼となります


十二月三十一日 十時記す 向井 敏明




遣書


母上様不幸先立つ身如何とも仕方なし。努力の限りを尽しましたが我々の誠を見る正しい人は無い様です。恐しい国です。

野田君が、新聞記者に言ったことが記事になり死の道づれに大家族の本柱を失はしめました事を伏してお詫びすると申伝え下さい、との事です。何れが悪いのでもありません。人が集って語れば冗談も出るのは当然の事です。私も野田様の方にお詫びして置きました。

公平な人が記事を見れば明かに戦闘行為であります。犯罪ではありません。

記事が正しければ報道せられまして賞賛されます。書いてあるものに悪い事は無いのですが頭からの曲解です。

浅海さんも悪いのでは決してありません。我々の為に賞揚してくれた人です。日本人に悪い人はありません。我々の事に関しては、浅海、富山両氏より証明が来ましたが公判に間に合いませんでした。然し間に合ったところで無効でしたろう。

直ちに証明書に基いて上訴しましたが採用しないのを見ても判然とします。富山隊長の証明書は真実で嬉しかったです。厚く御礼申上げてください。

浅海氏のも本当の証明でしたが一か条だけ誤解をすればとれるし正しく見ればなんでもないのですがこの一か条(一項)が随分気に掛りました。勿論死を覚悟はして居りますものの人情でした。浅海さまにも御礼申して下さい。

今となっては未練もありません。富山、浅海御両人様に厚く感謝して居ります。富山様の文字は懐かしさが先立ち氏の人格が感じられかつて正しかった行動の数々を野田君と共に泣いて語りました。



母上様 敏明は逝きます 迄 呼んで居ります。何と言っても一番母がよい。次が妻子でしょう。

お母さんと呼ぶ毎にはっきりお姿が浮かんで来ます。子供等も家も浮かんで来ます。ありし日の事柄もなつかしく映って来ます。

母上の一生は苦労心痛をかけ不孝の連続でたまらないものを感じます、赦して下さい。

私の事は世間様にも正しさを知っていただく日も来ます。母上様も早くこの悲劇を忘れて幸福に暮して下さい。

心を沈めたり泣いたりぐちを言わないで再起して面白く過してください。母の御胸に帰ります。我が子が帰ったと抱いてやって下さい。葬儀も簡単にして下さい。

常に母のそばにいて御多幸を祈り護ります。

御先に参り不孝の罪くれぐれも御許し下さい。


石原莞爾様に南京に於いて田中軍吉氏野田君と三名で散る由を伝達して生前の御高配を感謝していたと御伝へ願います。

巣鴨遺書編纂会『世紀の遺書』(1953年) p.41 -- チャンネル桜掲示板 埋もれた発言 http://www.ch-sakura.jp/bbs_thread.php?GENRE=giron&ID=50026&P=50 投稿No.75322 2004-10-19 10:55:01 No.75338 2004-10-19 11:33:51 No.75359 2004-10-19 13:56:50 山桜氏の投稿を転載, ただし引用者の趣味に従い空白および改行を加えた】

*1:小林よしのり戦争論2』の引用

*2:http://homepage3.nifty.com/kyoho-enzai/Jisei.jpg

*3:遺書が≪辞世≫を含むのは広辞苑を引けばわかることだが≪辞世≫だけではないだろう. びりーばーさんに捏造するだけの脳/能力があるはずもない.

*4:元祖をたどれば やまもとななへい - こちらは未入手/未読 - か 鈴木明あたり = 鈴木明『「南京大虐殺」のまぼろし』文春文庫 1983/11/25 第1刷 p.82 「向井少佐は死の直前, 簡潔に, 最後の遺書にこう記した」に続いて「我は天地神明に誓い[…中略…]死して護国の鬼となります  向井敏明」なお『「南京大虐殺」のまぼろし』単行本は 1973年 文藝春秋