n人の囚人(賢者)の帽子/色問題再考
自分の帽子の色が 分かる|分からない が何で決まるかを考えてみた - が, いまいち.
【1】囚人がふたりの場合 [*1]
2人の賢人b,cがいます. 赤の帽子が2つ, 白の帽子が1つあります. 2人に帽子をかぶせましたが, 自分の帽子の色は分かりません.[*2]
cに聞くと「分からない」. ところが次にbに聞くと「分かった」と言いました. 2人の帽子の色はそれぞれ何色でしょう?
- (case.1)
(c,b)=(R,W) の場合: cは≪bの帽子が白Wである≫ことから自分の帽子の色 赤Rを知る.
- (case.2)
(c,b)=(W,R) の場合: bは≪cの帽子が白Wである≫ことから自分の帽子の色 赤Rを知る.
- (case.3)
(c,b)=(R,R) の場合: bはcの答え≪c自身の帽子の色がわからない≫を聞いた時点で, (case.1)ではないこと - つまり,自分の帽子の色が白でないことを知る.
問題を[ii]のルールで考えると case.1,case.2 は除くことができ, (case.3) ふたりともに赤となる. [*3]
【1'】3人の囚人の場合
aが「分からない」と答えた次の局面は上記【1】になる.
- (c,b)=(W,W) は, (a,b,c)=(R,W,W) の時だから≪aが分からない≫と答えた時点で除外できる.
したがって, 3人の囚人の帽子の色は (a,b,c)=(R,R,R) 全員赤帽子.[*4]
【2】n人の囚人に, 赤の帽子 n個と 白の帽子ひとつの場合
- (1,2,…,k,…,n-1,n)=(R,R,…,W,…,R,R)の場合: 白い帽子のkさんは自分の帽子の色がわからない,白い帽子はひとつだけなので,kさんの帽子の色からほかの囚人は自分の帽子の色がわかる.
- (1,2,…,k,…,n-1,n)=(R,R,…,R,…,R,R)の場合(要するに全員が赤い帽子): 他の囚人に白い帽子がいないので, 全員が 自分の帽子が白である可能性を考える. ここで誰かひとりが『わからない』と答えると全員が 全員赤い帽子であることを知る.
【3】n人の囚人に, 赤の帽子 n個と 白の帽子(n-1)個の場合 --- 練習問題
*1:もともとの問題は id:noharra:20041114 , id:dempax:20041123 自分で読み直してみると#p3後半文意不明 - 問いの条件,ルールへの疑問の説明になっていない
*2:『自分の帽子の色は分かりません』を≪[i] 自分の帽子の色を見ることができない≫の意味で読むか≪[ii] 帽子をかぶって他の囚人の帽子の色を見た時点で自分の帽子の色が判断できなかった≫意味で読むかで, 問題の前提となるルールが異なってくるように見える.
*3:『次にbに聞くと「分かった」と言いました』の bが『分かった』のがどの時点かによって - 『順番にひとりづつ聞いてゆく』 a,cが答える前にわかっっていた場合を含めると含めると (case.2) もありえる - a,cの答えを聞いて初めてわかったのであれば (case.3)のみとなる. この辺り一意的な答えが出ることが暗黙の前提なのかもしれない が 共通一次試験の出題だったら "Revisionist" から裁判で大騒ぎされることになるだろう
*4:ルール[ii]を前提にして